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高橋加工部の岡本さん、2年越しの技能五輪世界大会へ

高橋社長と高橋専務が見守る中、代表ユニフォームを身にまとい出場へ意気込みを見せる岡本さん(右から)

 高橋加工部(帯広市、高橋猛文社長)に勤務する岡本巧さん(22)は、11日からスイス・バーゼルで行われる第46回技能五輪国際大会の建具部門で日本代表として出場する。本来は昨年の大会代表だったが、新型コロナの影響で延期、今年も開催が危ぶまれるなど二転三転する中、2年越しでの出場となる。岡本さんは「大会に臨めることに感謝、入賞を目指す」と話している。

 同大会は23歳以下が対象で技術力を競う。61職種あり、十勝管内の企業からは唯一の出場となる。

 岡本さんは帯広市生まれ。明和小、第八中、帯広大谷高、帯広高等技術専門学院を経て2021年に同社に入った。在学中の20年11月に愛知県で行われた全国大会で最高の金賞を獲得し、翌年の中国・上海開催の国際大会への出場権を得ていたが、上海のロックダウンで大会は延期。さらに、同社によると、コロナの長期化で今年に入り大会自体を取りやめる方向で一度は話が進んだが、関係者からの強い要望で、今夏、職種ごとに開催国を分散する形での実施が決まった。

 同競技では建具の課題が事前に出され、会場で4割変更される中で製図から仕上げまで22時間・4日間かけて行う。出場に当たり、同社の配慮で勤務シフトには入らず、練習用木材も提供、中央職業能力開発協会が派遣するトップ技術者の指導を受けたり、母校や会社で訓練に励んできた。

 先週、日本選手団ユニホームも到着。6日に日本をたち、ロシア上空が飛べない影響で33時間かけ現地に入る。岡本さんは「開催の行方が見えず、不安な時もあったが、せっかくのチャンス。悔いのないよう取り組みたい」と力強く語る。十勝勢からの国際大会出場は18年以来3人目で、いずれも同社の職人。高橋敏文専務は「地方の中小企業にとって負担は大きいが、技能は会社の財産、人材育成で応援し続ける」と話した。(佐藤いづみ)

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