動物園でサルの行動観察 畜大環境生態学ユニットの学生33人が参加
帯広畜産大学環境生態学ユニットは十数年にわたり、おびひろ動物園のサルの行動観察を続けている。学生が動物を観察する力を養うと同時に、サルの飼育環境の向上を目指している。
行動観察は「環境生態学実習」の一つで、同ユニット3年生が対象。同園での実習は、同大と同園が2010年に連携協定を結ぶ以前から毎年続けてきた。6月29日には、コロナの影響で3年ぶりの実習が行われた。
同日は学生33人がニホンザルとリスザルの班に分かれ、1時間にわたってそれぞれの行動を観察。サルが「立ち上がった」「餌の取り合いをしている」「グルーミング(毛繕い)をしている」などの動きを記録した。
リスザルを観察した鮎澤怜佑さん(20)は「1年生のときはほとんど動画配信。やっと実習ができ、うれしい」と話し、サルの一挙手一投足に目を見張った。実習を担当する押田龍夫教授によるとサルの行動を評価することは、「環境エンリッチメント」(飼育動物の幸福な暮らしを実現すること)に配慮した飼育方法を進めるための一つの指標になるという。
歴代の学生が行った行動観察のデータは十分に蓄積されている。押田教授は今年にもデータをまとめる予定で、「より良い飼育方法へのアドバイスになれば」と話す。(近藤周)