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作業員保護機「ロックプロテクター」 宮坂建設が実用新案 トンネル工事 岩落下にも耐え

実用新案に登録された「ロックプロテクター」のイメージ図

 宮坂建設工業(帯広市、宮坂寿文社長)が、新たに開発したトンネル工事用作業員保護機「ロックプロテクター」が実用新案に登録された。作業員の安全確保と作業効率の向上が期待されている。

 山岳トンネル工事では、岩盤の落下(肌落ち)などによる労働災害が全国的に発生している。厚生労働省が肌落ち災害防止対策のガイドラインを策定しているが、抜本的な解決には至らず、トンネル工事で死亡事故が絶えない。

 同社でもトンネル内での工事を実施していることから、作業員の安全確保に向けて2017年9月から日立建機日本(埼玉県)とプロジェクトチームを結成し、作業員が作業を行うマンゲージの形状などの開発を進めてきた。

 設計・開発した「ロックプロテクター」は、作業員が乗るマンゲージに570キロの岩塊を高さ2・8メートルから落下させても耐久力がある安全設計となっている。マンゲージの重量を支えるため、走行用ベルトの長さや幅を大きくするなどの工夫を施した。昨年11月19日に実用新案として登録された。現在、実機を製作しており、完成には少なくても1年以上かかる見通しだ。

 宮坂建設工業の齋藤宏明常務執行役員は「おそらく国内でこうした一体型の機械は他にないと思う」と強調。開発での苦労について「マンゲージの強度を高めると同時に、鋼管の間から作業員が手を出し作業しやすい幅、鋼管の組み合わせに苦労した」と話した。(完戸雅美)

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