「空港リムジン馬車」も視野 新たな「馬文化ツーリズム」へ実証採択 十勝シティデザイン
帯広中心部で「馬車BAR」の運行などを行う十勝シティデザイン(帯広市、坂口琴美社長)は、中札内村などと連携し、新たに「とかち馬文化ツーリズム」の実施に向けた準備を進めている。「空港リムジン馬車」など、働く馬の歴史や文化を観光資源にしたコンテンツの開発やツアー造成を計画。国の実証事業にも採択された。来年度以降、コンテンツやツアーをレギュラー化し、継続実施を目指す。
十勝シティデザインは市内中心部でホテルヌプカを運営。2020年には地域活性化などを目的に全国でも珍しい馬車BAR事業を開始し、今年は地域総合整備財団の「ふるさと企業大賞」にも選ばれた。
計画では、帯広空港から馬車で農村田園風景などを見て中札内村フェーリエンドルフまで行く「空港リムジン馬車」や、帯広百年記念館を出て住宅街を通り帯広競馬場へ行く「輓(ばん)馬の住宅馬車ツアー」、帯広の森を会場に馬が開拓する様子を再現する「馬搬の実現見学プログラム」などの新コンテンツを開発する。
さらに日本屈指の乗馬プログラムを持つ「ヒロユキ モチダ ホースマンシップ」(帯広市富士町)のホースショーなど、あまり知られていないが、きらりと光る観光資源をツアーに盛り込み、磨き上げを図る。
同社の永田剛馬文化事業部マネジャーは「馬車BARのノウハウを生かし、馬が公道を走る際には安全を図りながら行う。コロナ後を見据え、世界唯一のばんえい競馬がある十勝で新コンテンツの開発や従来ある施設などを観光資源として磨き上げることで事業の拡大、自立を目指す」とする。
国土交通省(観光庁)がコロナ対策で実施する地域観光資源の磨き上げ実証事業(第2次)の支援事業に9月選定された。全国で155件あり、十勝では唯一。約1500万円を上限に支援金が受けられる。
中札内村や十勝観光連盟、日本旅行などを連携団体として6日から市内などでモデルツアーを2度開催する。セミナーやアンケートなどで検証し、新コンテンツを継続するための投資計画などを作成する。次年度以降は連携組織を推進協議会に発展移行させ、ツアーや新コンテンツの事業化を目指す。(佐藤いづみ)