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広尾 酪農家の鈴木さんが十勝の塩発売

海水を煮詰めた天然塩「十勝の塩」を手にする鈴木さん。後方は塩作り用の釜

 【広尾】広尾町で鈴木牧場を営む鈴木敏文さん(38)=紋別16線=が、町音調津の海水を釜炊きした天然塩「十勝の塩」を商品化し、9日から町内のAコープサンタ村やインターネットで販売する。鈴木さんは「今までになかった十勝産の塩。塩味に加え、甘みや深み、こくがある。十勝産の料理や食材に使ってもらえれば、本当の意味でのオール十勝産料理になる」と話している。

 海水による自然塩作りは、海沿いの広尾に住んでいることに加え、酪農家として牛に与える水、牧草、塩を重視していたことがきっかけだ。

 5年ほど前、試しに海水を煮詰めて塩を作ったところ、「とてもおいしかった」。牛に与えるとあっという間になくなり、「本物のミネラルを求めていることを感じた」と本格的な塩作りを決意した。調べてみると、昔は鈴木さんの祖母ら町民が海水で塩作りを行い、十勝神社(広尾)に塩の神が祭られていることも分かったという。実際に石川県の製塩業者を見学などし、まきを燃料とした塩用の釜(両側にブロックを積み上げた構造)を友人と手作りした。

 塩作りは、ごみや不純物をろ過した海水を強火で3~4日間煮詰め、塩分濃度25%ほどで結晶化させてから、弱火でさらに1~2日間煮る。1日寝かせて塩とにがりを分け、遠心分離機で水分を飛ばし天日干しして完成する。手間の掛かる作業だが、「海の塩は地球上の生物にとって命のエキス」と、牛に与えるための労苦は惜しまない。

 鈴木牧場は今年、牧草などの無農薬・無化学肥料栽培が評価され、牧草地、デントコーン畑のJASオーガニック(有機)認証を取得。塩作りも循環型農業の一環として考えている。

 「十勝の塩」は知人などに配ると「おいしい」と反響が大きく、一般販売を後押しした。鈴木さんは「そのまま食べると味の違いが分かる。肉やサラダ、天ぷら、塩むすびなどに使ってほしい。食文化が豊かになる」と話している。

 塩の生産は月に10キロ、年間で120キロ程度になる見込み。町内では菊地ファームカフェ(野塚11線)でこの塩を使ったジェラートを販売しており、今後、地サイダー「広尾しおサイダー」にも使われる予定。

 50グラム入り800円。Aコープサンタ村(紋別18)のほか、インターネット商品販売サイト「おすそわけマーケットプレイス『ツクツク!!』」で取り扱っている。問い合わせは鈴木さん(090・5075・5586)へ。(松村智裕)

<十勝と塩>
 十勝では以前、塩の工場などがあったが、現在は地場産の塩は販売されていない。広尾や大樹、帯広の企業、経済団体、帯広信用金庫などが2014年に「十勝産しお創りプロジェクト」(事務局・広尾町商工会)を立ち上げ、製塩の事業化を目指していたが、18年に活動を停止。鈴木さんは、独自で塩作りを進めていた。


◆「十勝の塩」について
鈴木牧場の商品のページ-おすそわけマーケットプレイス『ツクツク!!』
鈴木牧場のWebサイト-鈴木牧場公式ホームページ

関連写真

  • 塩作り用の釜

    塩作り用の釜

  • 海水を煮詰めた天然塩「十勝の塩」を手にする広尾町の酪農家鈴木さん。後方は塩作り用の釜

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  • 海水を煮詰めた天然塩「十勝の塩」を手にする広尾町の酪農家鈴木さん

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