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大樹 MOMO5号機ノズル破損の原因究明本格化 開発も同時並行で

ノズル破損の原因を究明する堀尾さん(左)らIST社員(18日午前10時ごろ)

 【大樹】大樹町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は、14日に打ち上げた観測ロケット「MOMO(モモ)」5号機のエンジンノズルが破損した原因の究明を急いでいる。一方で6号機の機体製造や将来的にモモに導入する新型エンジンの燃焼実験を実施。ISTは「原因究明と開発をスピード感を持って同時並行で進めている」としている。

 5号機は14日早朝に町浜大樹の実験場から打ち上げられたが、エンジンノズル破損後、機体の姿勢が不安定になり、打ち上げから70秒後に指令所からエンジンを緊急停止した。最高高度は11・5キロで目標としていた宇宙空間(高度100キロ)には到達できなかった。

 ISTは打ち上げ直後に解析チームを立ち上げ、エンジンの燃焼具合や1~4号機と5号機との違いなどからノズルの破損原因を分析している。4号機と異なり、5号機は着水時までの通信データが取れていることから、検証を進めやすいという。今後、エックス線を使って内部の状況を把握する「非破壊検査」などを行う予定。

次世代モモ用新型エンジンの開発も進む。16日に行われた地上燃焼試験の様子(ISTのユーチューブ動画から)

 一方で、6号機は5号機と基本的な構造は変えず、早い時期に打ち上げるための準備に取り組んでいる。16日には次世代のモモで導入する予定の新型エンジンの地上燃焼実験(4回目)を無事成功するなど、先を見据えた開発も進む。

 5号機からモモの開発を統括している堀尾宗平さん(27)は「社員が40人に増えたことで、複数の原因を同時に検証でき、開発も進められる」と迅速な対応を強調。「5号機は予定時刻ちょうどの打ち上げに成功し、電子機器に不具合がないなど評価できる点は多い。モモ自体の開発は終盤に来ている。5号機での成果を6号機に生かしたい」と話している。(松村智裕)

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