公立芽室病院が旭川医大と連携へ 在宅医療の強化推進
【芽室】公立芽室病院(芽室町東4ノ3、研谷智院長)は5日、旭川医科大学(吉田晃敏学長)と連携し、新たな地域医療体制の構築や人材の育成を図る考えを明らかにした。高齢者の訪問診療や在宅ケアの強化を目指すほか、看護師教育支援を受ける方針。具体的なスケジュールや内容は、旭医大と協議している。
同日の町議会厚生文教委員会で同病院の西科純事務長が報告した。
旭医大は、新しい地域医療の整備が求められているとし、「地域医療支援における『地域共生医育』旭川モデル(北海道地域医療支援構想 旭川医大 吉田学長案)」を提唱。地域医療構想の実現▽医師偏在の解消▽医師・医療従事者の働き方改革-の3点を軸とした医療提供体制改革を推し進め、道内の医療機関と連携して地域の垣根を越えた医療支援と人材の育成を目指している。
旭医大からは、地域の医療が抱える問題やその解決策の抽出、人材や医療テクノロジー資源の提供などを行う。支援を受ける地域は、人材育成の学外基幹拠点としての機能を担う。
十勝医療圏では、在宅医療に力を入れている公立芽室病院を重点支援施設に選出。現在医師10人中4人が旭医大出身で、これまでも交流があった。総合診療医の派遣や、看護学科教員による看護師教育支援を受ける予定。さらに旭医大が持つ遠隔医療提供システムを導入し、在宅医療の高精度化や在宅ケア効率化を図る。実習・研修の場としても位置付けられる。
同病院は10月から、現在使われていない3階病棟を新たに療養病棟として再開するなど、町民の回復・慢性期を支える医療機関として再編を進めている。研谷院長は「在宅医療も含め、町民の健康、医療、介護を支える役割を担っていく」としている。(細谷敦生)