帯広工業高校が「ものづくり大賞」受賞 4年ぶり3回目
帯広工業高校3年生の課題研究班(5人)が「第38回北海道高等学校工業クラブ大会」(1月23、24日)の課題研究発表大会で最優秀賞に当たる「ものづくり大賞」に輝いた。発表したのは三輪のエアエンジンバイクで、分割組み立て式を採用したユニークな設計などが評価された。同校がこの大会でものづくり大賞を受賞するのは4年ぶり3回目。
大会は道高等学校工業クラブ連盟などの主催。今年は全道から15校が参加した。帯広工業高の代表として参加したのは、角玄真生(かくげん・まお)さん(18)、小林拓海さん(17)、関根陸さん(18)、原口恵輔さん(18)、眞野偉(たける)さん(17)。電子機械科の「課題研究」の授業で「エアエンジンバイク」を手掛け、担当の島貫力教諭から推薦された。
製作したバイクは、昨年の卒業生の挑戦を引き継いだ。先輩たちは独自の7気筒圧縮空気エンジンを開発したが、バイクを走らせることはできなかった。先輩たちの失敗を洗い直し、3次元CAD(コンピューター利用設計)を使って強度の高い車体とした。
帯工オリジナルのエアエンジンと、5人で設計・開発したフレーム、ステアリング機構を組み合わせ、新たな車両を仕上げた。さらに大会会場の釧路工業高校まで軽自動車で輸送することを視野に、車体を分割組み立て式にするというユニークな工夫も施した。バイクは自走できることも確認。推定で時速20~30キロのスピードが出るという。
大会当日はプレゼンテーションの際、設計のコンセプトを紹介するとともに「誰でも工具を使わずにできる」という組み立て作業を実演した。
審査の採点が生徒に公表されることはないが、島貫教諭が審査員の一人から「ダントツの評価だったよ」と声を掛けられたという。
大賞受賞について、課題研究班の5人は「最初は形が見えなくてつらかったけど、ものづくりって楽しいと思えた」「完成するか不安だったけど、最後に良い形で終われて良かった」と笑う。
それぞれ、進学や就職が決まっており、もうすぐ卒業。バイクにかっこいいデザインのカウル(風よけ)を付けたり、完成度を高めたりする課題は残っているが、「帯広工業高校のエアエンジンバイク」を完成させる夢は後輩に託し、新たな道に進む。(奥野秀康)