中札内音頭が40年ぶり復活 札幌・中札内会
【札幌】1968年に制定されたものの、踊りの機会がなくなっていた「中札内音頭」が5日、札幌・中札内村ふるさと会(柳沼正直会長)により約40年ぶりに復活した。同会では「幻の『中札内音頭』がよみがえった。ふるさとの踊りとして広げていきたい」と話している。
中札内音頭は、開村20周年記念事業として村歌とともに歌詞を一般募集し、68年に完成。地域の行事などで踊っていたが、77年に行われた開村30周年1000人パレードで農協や商工会の婦人部らが踊ったのを最後に、踊る機会がなくなってしまったという。現在では村内でも同音頭を知る人が少なくなっていた。
同ふるさと会の幹事の一人で元アナウンサーの伊藤治明さん(67)=札幌在住=が実家に眠っていた同音頭のソノシートを発見し、昨年の役員会で復活プロジェクトを提案。他の役員から賛同の声が上がり、伊藤さんがCDに編集した音源を基に曲や歌詞を知ることから始めたという。
踊りの復元は、日本舞踊の経験がある富家けさ代さん(70)、小浦方美佐子さん(66)姉妹(いずれも札幌在住)が担当。当時の資料を探し、1000人パレードでの映像を見つけたが、映像では振りの一部しか確認できなかったため、オリジナルの振り付けも加えて完成させた。
女性役員を中心に練習を重ね、同ふるさと会の懇親会で踊りを披露。「中札内音頭」の文字と村のキャラクター「ピータン」のイラストが入った法被を着てしなやかに踊ると、会場は大きな拍手に包まれた。
来賓として出席した山崎恵司副村長は「村のことを大切に思ってくれているのが伝わった」と感激。富家さんは「粋な雰囲気にしたいと考えて振りを付けた。中札内村民や東京ふるさと会など、多くの人に踊ってもらいたい」と話していた。
(安藤有紀)