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清水町のそば名店「目分料」が閉店 店主の死去で

多くの町民や観光客らに親しまれた「目分料」

 【清水】清水町内のそばの名店「目分料」(南5ノ3)が17日で閉店した。店主の田村雅史さん(享年62)が急逝したため。こだわりの味は町内外にファンが多く、来年には創業30年の節目を迎えるところだった。残された妻の優子さん(49)は「本人のためにも、いずれ再開したい」と話している。

 田村さんは清水町生まれ。清水小、清水中、帯広北高卒、中央大学中退。東京で会社勤めの後、札幌のそば店での修業を経て、1990年に清水町市街地で開業した。町内に工場を持つ日本甜菜製糖の役員らに気に入られ、同社の土地を借り受けて2001年に現在地に移転した。

 その日使う粉はその日に石臼でひき、だしはさば節、宗田節、本節をブレンド。冬のつゆはまろやかに、汗をかく夏は辛めに仕上げるなど細部までこだわったそばを提供してきた。多くの食通をうならせ、ミシュランガイド北海道にも掲載された。冷たいそばへの思い入れが強く、優子さんは「温かいそばの注文が入ると機嫌が悪くなるほどだった」と振り返る。

こだわりのそばを提供し続けてきた田村さん(妻の優子さん提供)

 16年冬に体調を崩し、血液の病気の一種「骨髄異形成症候群」と診断を受けた。治療を続けながら店を守ってきたが、今年に入って入退院を繰り返す日々。9月いっぱいでいったん休業し治療に専念することを15日に決めた矢先に容体が悪化し、18日に亡くなった。「そばが大好きで、仕事一筋の人。最後は酸素ボンベを付けたままそばを打っていた」(優子さん)という。

 4年前から田村さんにそば打ちの手ほどきを受け、「俺よりうまくなるかもしれない」と見込まれていた優子さん。「本人は店を閉めたくなかったと思う。全く同じ味は出せないかもしれないし、少し違った形態になるかもしれないが、来年の春くらいにはここで再開できれば」と話す。

 田村さんの通夜は21日午後7時から、葬儀は22日午前10時から、ベルコ帯広西シティホール(帯広市西21南1)で執り行われる。(丹羽恭太)

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