MOMO4号機宇宙に届かず 大樹
【大樹】町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は27日午後4時20分、町浜大樹の実験場から宇宙観測ロケット「MOMO(モモ)」4号機を打ち上げた。搭載コンピューターが機体と地上とのデータ通信で異常値を検知し、打ち上げから64・3秒後にエンジンを自動で緊急停止した。最大高度は13キロ(速報値)にとどまり、5月4日に打ち上げた3号機に続く宇宙空間(高度100キロ以上)到達は果たせなかった。
ISTによると、予定していたエンジン燃焼の約半分の時間で緊急停止し、機体は射場から沖合9キロの海面に着水した。緊急停止直前までのデータは正常に地上へ送られている。折り紙飛行機3機の放出は緊急停止後に手動で行ったが「どう反応したかはわからない」(IST)としている。
稲川社長は「不具合があり残念。具体的な原因検証はこれから。モモの信頼性を得るために根本的な解決を図りたい」、創業者の堀江貴文氏は「次はかなりの確率で成功すると思う。皆さんの荷物を今度は宇宙空間へ持っていきたい」と話した。
4号機は全長10メートル、直径50センチの液体燃料ロケット。世界初となる宇宙空間での折り紙飛行機の放出を目指し、高知工科大の観測機器や大樹町産チーズを使ったチーズハンバーガー、コーヒー豆、眼鏡、縫いぐるみを搭載した。燃料のエタノールに日本酒を添加する試みも加え、ユニークな7ミッションを行う予定だった。
当初打ち上げを予定していた13、14の両日は雨で延期。続く20日は機体の不具合で直前に緊急停止していた。ISTは20日の不具合の原因について、姿勢制御用のガス燃焼器の配管に金属片が混入したためと明らかにした。(松村智裕)