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スーパーアグリ23年間の歴史に幕 豊頃

閉店後、町民らに感謝の気持ちを込めて頭を下げる従業員ら

 【豊頃】町内唯一のスーパーマーケット「スーパーアグリ茂岩店」が6月29日、惜しまれつつ開店以来23年間の歴史に幕を下ろした。経営する豊頃協同商事の高橋敏典社長(66)は「利用してくれた多くの町民に改めて感謝したい」と頭を下げた。

 最終日は午前8時15分に開店。高橋社長と妻雅子さん(67)を含め従業員ら14人が接客に当たった。鮮魚コーナーでは、高橋社長らが新鮮な魚をさばいて並べた。人気の総菜コーナーでは前身の「旧スーパーたかはし」時代から通算30年以上勤務するベテラン従業員の堀井次子さん(72)がコロッケやザンギ、ミートボールなどを調理し陳列した。

 この日は閉店セールで、ほとんどの商品を1~3割引きで販売。多くの買い物客が開店から閉店まで途切れることなく訪れた。高橋社長夫妻には、買い物客から「お疲れさま」とねぎらいの言葉が掛けられ、花束や旅行券などがプレゼントされた。

 同店の近所に住む木幡紘子さん(74)は「毎日買い物に来ていたので店がなくなるのは寂しい」と肩を落とし、町内在住の早川さちさん(88)は「これからどこで買い物をすればいいのか」と困った様子だった。

 アグリは、1997年にJA豊頃町直営の旧Aコープ2店舗(茂岩、豊頃)の経営形態を改めてオープン。町内の「旧スーパーたかはし」と同JAが500万円ずつ出資した豊頃協同商事が運営。その後、同豊頃店は閉店し茂岩店だけで営業され、地域住民の日常的な買い物を支えてきた。ピーク時には年商4億5000万円に達し、多い日で300人ほどが来店、150万円以上の売り上げを計上したこともあった。

存続模索続く
 同JAは昨年5月に事業撤退を表明。豊頃協同商事も高橋社長夫妻の体調不良などで解散する意向を示した。一時は事業を承継する後継者が現れたが不調に終わった。店舗を所有する同JAは土地、建物を町に無償譲渡し、町は店舗存続を積極的に支援する方針でいる。(内形勝也)

関連写真

  • 閉店日に店内の鮮魚コーナーで接客にあたる高橋社長(左)

    閉店日に店内の鮮魚コーナーで接客にあたる高橋社長(左)

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