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修学旅行生10年で2万人 農山漁村ホームステイ

ホームステイを終えて生産者との別れを惜しむ参加生徒(2018年、南十勝エリア。食の絆を育む会提供)

 NPO法人食の絆を育む会(浦幌町、近江正隆理事長)が取り組む農山漁村ホームステイ事業が、開始から10年の節目を迎えた。都会(消費地)の高校生が生産現場を理解し、人とのつながりを感じる新しい教育の場として定着した。受け入れ延べ人数は2万人を超え、ホームステイ参加者が進学、就職先に十勝を選ぶケースもみられる。

 農山漁村ホームステイは修学旅行で訪れる大阪や東京の高校生を農業者、漁業者、林業者宅で受け入れ、生産者の日常を体験してもらう事業。

 2008年に浦幌町で試験的に実施し、10年から管内の農家らと提携して本格的に始めた。現在は取り組みに賛同する生産者や自治体でNPO法人を立ち上げ、運営している。

 各家庭では泊まりがけで農作業や漁業を経験。受け入れる生産者は家族のように接する。参加生徒からは「『知らない人について行ったらだめ』と教えられて育ってきたので、他人への安心感を取り戻せた」などの感想が寄せられている。

 学校からの評価も高く、新規の申し込みは多数あり、応えきれない状況だ。

 最近は、ホームステイ事業に参加した生徒が十勝で進学、就職・就農する例も。毎年、十勝に遊びに来たり、農作物の収穫の手伝いに来る参加者も少なくない。受け入れる側も、1次産業の魅力や価値を再認識する契機になっている。

 近江理事長は「当初は農業への理解を広めようと始めたが、想定しなかった効果が参加者と生産者双方に生まれている。事業の課題はあるが、持続的に実施していける枠組みづくりを進めたい」と話している。(伊藤亮太)

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