清水町長に阿部氏 新人対決、鈴木氏に大差
【清水】任期満了に伴う清水町長選挙は19日に投開票が行われ、元町職員の阿部一男氏(64)=団体職員、無所属・新=が3995票を獲得し、初当選を飾った。前町議会議員の鈴木孝寿氏(48)=会社役員、同・同=は2276票だった。阿部氏は町内各層に支持を広げ、大差で16年ぶりの新人対決を制した。
阿部氏は行政と民間で農業・福祉に携わった経験を掲げ“即戦力”をアピールした。地元の農業者から手厚い支援を受け、町職員組合など前回まで現職に対抗してきたグループも支援に回り、町内の各層に浸透した。
鈴木氏は自民党支部が支援して、地域の商工業者が運動の中核を担った。ただ基幹産業を担う農村部が阿部氏支持に傾き、保守内が事実上分散、大きな流れをつかむことはできなかった。
町長選は3期連続。投票率は76・37%で、前回(79・16%)を2・79ポイント下回った。
心のつながりの勝利
19日午後9時58分、3度目の開票速報で3970票の得票が伝えられると、阿部一男氏の事務所(町本通2)では大きな拍手がわき起こった。
阿部氏は午後10時5分、妻の真砂子さん(63)と到着。串田雅樹選対本部長のあいさつに続いて万歳三唱、阿部氏がだるまにVの字を書き入れた。高薄渡町長、管内首長らが祝辞を述べた。
阿部氏は「心のつながりの勝利。選挙戦の中で災害復興についての新たな課題も見つかった。すぐに取りかかりたい」と語った。
鈴木氏「組織固めに出遅れ」
19日午後10時ごろ、鈴木孝寿氏の事務所(町南2ノ3)に敗色濃厚の結果が伝えられると落胆の声が上がった。
直後に鈴木氏が事務所入り。集まった約70人の支持者が暗い表情を浮かべる中、熊谷陸男選対本部長は言葉を詰まらせながら「このようなことになり残念でならない」と述べた。
鈴木氏は支持者を前に「結果として敗戦してしまったことは不徳のいたすところ。先に(出馬を)表明したものの、組織が固まらず出遅れてしまったのは油断だった。今後も一町民として何らかの形で貢献していきたい」と頭を下げ、一人ひとりに感謝の言葉を述べ握手して回った。