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「新たな備え必要」 継続観察の必要指摘 道防災・減災シンポ

台風10号災害を受けた地域防災の在り方を話した山田准教授、笠井准教授、田村教授(左から)

物流の代替性確保も
 地域の実情に即した防災を考える「北海道防災・減災リレーシンポジウム2016-新たなステージに対応した防災・減災-」(北海道大学主催)が8日、帯広市民文化ホールで開かれた。同大研究者らが十勝を襲った台風10号災害をテーマに研究内容の講演や意見交換を行い、土石流による新たな災害発生への備えなど、中・長期的に地域防災に対応する必要性が指摘された。

 帯広、函館、札幌の3会場で開く第1弾で、管内の防災関係者ら約120人が参加。同大大学院工学研究院の山田朋人准教授と田村亨教授、同農学研究院の笠井美青准教授の3人による基調講演の後、パネルディスカッションが行われた。

 講演では、笠井准教授が土石流が発生したペケレベツ川(清水町)の被災状況を説明。流域に多量の「不安定土砂」が残されていると指摘し、「今後どんな雨でいつ動くのか。継続的なモニタリングと測量が必要」と呼びかけた。

 山田准教授は、地球温暖化で気温が2度上昇するなど将来の気候変動を前提とした防災対応について「北海道は気温の上昇幅が大きいという予測。先駆けて取り組むべき」と指摘。田村教授は道東と道央地域の交通が分断された今回の災害を踏まえ、「物流の代替性や多重性をどう確保するかを考えねば」と話した。

 帯広開発建設部と札幌管区気象台の担当者も加わったディスカッションでは、今後の課題などを意見交換。山田准教授は「(道内の被災の大きさが)東京で伝わらない。いかに全国的課題かを伝えるのが大きな課題」、田村教授はJRの復旧に関して「JRがなくなったら道東はどうなるのか。危機管理は国の責務だが火付け役は地元の意見。インフラに関してはJRの経営を超えて議論されるべき」と提言した。
(小林祐己)

 

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