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シシャモ漁網に流木被害 操業見合わせも

流木で傷ついた網を直す漁業者。こうした事態を避けるため操業を見合わせる日も

 【広尾】管内で行われているシシャモ漁で、8月の台風で発生したとみられる流木が網に絡み、破損するケースが相次いでいる。漁に出れば網が傷つく状況で、漁獲も伸びない上、網の修復や買い換えの費用がかさむため、海の状況が良くても操業を見合わせる事態となっている。

 管内のシシャモ漁は8日に始まり、11月中旬まで、広尾では46隻が従事する。漁業者によると水揚げは8日に11トン、10日に9トンと例年に比べ少ないスタートとなった。同漁協ししゃも桁曳網漁業部会の白幡定部会長は「流木で満足に漁ができず、全ての船の網に被害が出た。こんなことは経験がない」と話す。

 シシャモ漁は船の後方に取り付けた網を海に下ろし引っ張って漁獲するが、シシャモが多くいる水深10~15メートル付近の至るところに流木が沈んでいる。10メートル近くにもなる根がついた大木もあり、網に穴が空いたり、4、5メートルにわたって裂けたりしているほか、網が引っかかり巻き上げられない事態も起きている。網は1つ40万円以上、業者に修復を頼んでも20万円弱の費用がかかり、「打撃は大きい」と頭を抱える。

 8月に4度に渡って北海道に接近した台風は、河川から大量の木を海に流し、秋サケ漁の定置網にも絡んで悪影響を与えている。海に浮かんでいるものや海岸に打ち上げられたものは回収が進められているが、海底にあるものの除去は難しい。海上からも見えないため、流木を避けての漁もできず、「網が引っかかって初めて流木があることが分かる」状況だ。

 11、12日は例年なら操業できる海の状態だったものの取りやめた。白幡部会長は「本来なら盛漁期で稼ぎ時。漁に出て網が破損すれば修復費用もかかる。本当に条件が良く、多く獲れると見込める時でなければ操業できない」と話している。(伊藤亮太)

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