温かい食事どうぞ 東大雪荘が炊き出し 新得
久しぶりの温かいご飯に笑顔が広がる。左は渋谷料理長。同２人目は渋谷優料理担当
【新得】トムラウシ温泉国民宿舎東大雪荘の渋谷潔料理長（５９）らが４日、台風１０号の大雨被害で指定避難所となっている新得小学校を訪れ、炊き出しとして温かい夕食を振る舞った。
町内で唯一残る避難所で、５世帯１３人が暮らしている。同温泉も相次いだ台風による大雨で８月２１日から長期の休業中で、渋谷料理長と渋谷優料理担当（３１）が「食」でみんなを元気づけたいと考え、今回の炊き出しを企画した。
献立は健康面を考え、湯治客に提供しているメニューから選んだ。午後１時半に小学校の調理室に入り、約４時間掛けて鶏肉のショウガ焼き、エビマリネ、野菜サラダ、きんぴらゴボウ、サンマ煮付け、すいとん汁など３０食分を夕食に用意した。
８月３１日から避難してこの日で５日目になる齊藤久恵さん（６０代）は「久しぶりに温かい白ご飯を食べさせてもらい、元気が沸いた」と感謝していた。
自宅が市街地にあり、自身も同３１日に避難した渋谷優料理担当は「早くまちが元気になってほしい」と願っていた。２人は５日から、災害復興に関わる自衛隊員やボランティアに昼食を作ることになっている。
（小寺泰介）
