能勢眞美の作品新たに発見 30日から公開
十勝ゆかりの画家、能勢眞美(1897~1982年)が戦時中に描いた油彩画1点が新たに発見された。旧北海道帝国大学(現・北海道大学)の様子を描いた貴重な資料的作品で、株式会社小竹美術(札幌)が30日からイトーヨーカドー帯広店(稲田南8線)で開く絵画バザールの中で展示される。
絵画は「札幌の冬」。P30号の大きさで同大学内にある古河記念講堂の冬の姿を描いている。戦時中の1944年に描かれた作品のため、講堂の色は現在の白色ではなく、昭和初期ごろまでの灰緑色となっている。
8月に東京の個人宅から発見されたものを、同社が譲り受けた。同社によると、同宅の養父が生前居間に飾っていたものが、倉庫で保管されていたというが、「絵画がどのような経緯でその個人のもとへ渡ったのかは分からない」(小竹美術)という。
能勢は胆振管内白老町出身で、25年の北海道美術協会(道展)設立に参加。日展・展覧会委員を務め、第1回道文化賞を受け、北海道を代表する画家として活躍した他、48年に札幌から帯広に移り住み、平原社に参加するなど十勝の美術界にも大きな功績を残した。
能勢の絵画では、6月に東京都内の専門学校で、初期の31年作とみられる大作1点が見つかっており、相次ぐ発見は美術関係者の注目を集めそうだ。
同絵画が展示される絵画バザールは9月5日まで開催される。時間は午前10時から午後7時まで。同バザールではこの絵画に合わせ、帯広ゆかりの画家など道東の画家の作品を約30点展示する予定。
(大木祐介)