手話条例の新得町 専任通訳者是井さん採用
手話で自己紹介などをする是井さん
【新得】町保健福祉課に１日、手話の普及に取り組む手話推進員（地域おこし協力隊員）として、手話通訳士などの資格を持つ是井（ぜい）里智子さん（４６）が着任した。役場窓口や行事などで通訳を担当する他、町民講座などでも講師を務める予定。管内町村では初めての専任通訳者となる。
町は２０１４年、手話に関する条例を制定。町内にはろう者約２００人が生活しており、「町民に広く手話を普及していこう」（町保健福祉課）と専任通訳者の配置を決めた。これまで手話の通訳は介護職員が兼務しており、通訳不足も課題となっていた。
是井さんは１９７１年兵庫県神戸市生まれ。神戸経理コンピューター専門学校を卒業し、手話通訳士と社会福祉士の資格を持つ。同県洲本市で、聴覚障害者が入所者全体の８割を占めるという特別養護老人ホームの開設に関わった他、同県内で手話通訳者を務めてきた。
条例を制定し、ろう者と共に生きるまちづくりに取り組む新得に共感。「手話を生かして広く貢献できれば」と、単身７月２８日に引っ越してきた。
任期は最大３年間。在宅ろう者を家庭訪問し、今後のまちづくりに向けたニーズも調査する。「地域おこし協力隊員として、広くまちづくりに結び付く活動がしたい。手話に関する企画を多く提案できれば」と是井さん。趣味は登山で、日本アルプスを中心に登ってきた。「新得は自然がいっぱい。休日は山にも挑戦したい」と楽しみにしている。（小寺泰介）
