「わたぼうし音楽祭」で戸川さん入選、本祭へ
障害のある人が作った詩「欲しい」に帯広在住の会社員戸川悠さん(34)がつけた曲が、「第41回わたぼうし音楽祭」(奈良たんぽぽの会主催)の入選8作品に選ばれた。十勝からは初という。8月7日に奈良県で開かれる本祭に参加して曲を披露する。
同音楽祭は、障害関連の活動を支援するボランティア団体「奈良たんぽぽの会」が主催する公募コンテスト兼発表イベント。詩は障害のある人限定で、先に入選作を選び、後から詩に合った曲を募集する。事務局によると、今回は全国から作詞、作曲計603点の応募があった。
戸川さんは福島県生まれ、千葉県育ち。中高一貫の本郷中・高校(東京)を出て日大に進み、千葉や東京の音楽企画関係の財団法人などで勤務した後、1月から三洋興熱(帯広)の営業マンとして働く。
「曲作りは独学で始めた」と戸川さん。幼少期からバイオリン、高校では軽音楽部で音楽に親しみ、以降、仲間を作り、バンド活動で曲作りやライブ演奏を続ける。同音楽祭では千葉にいた時に3回入選しており、第37回では奈良市長賞に輝いた。今回の応募作は「障害のある人の欲求をストレートに表現した詩のイメージを壊さぬよう、バラードやブルース、ロックが混ざったゆったりした曲にした」と説明する。
Iターンのきっかけも同音楽祭に関係する。「過去の入賞曲に選んだ詩の中に登場した盲導犬が引退後、引き取られたのが札幌の老犬ホームだった。見に行くうちに職員と交流するようになり、道内に住みたいと思った。今後、盲導犬のボランティアをしたい」とし、音楽祭に関しては「納得した作品。本祭ではしっかり楽しんで演奏したい」と話している。
(佐藤いづみ)