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芽室の若手農家、農産物販売「なまら十勝野」株式会社に

株式会社を作った芽室町の若手農業者たち

 【芽室】町内の若手農家13戸でつくるグループが、農産物を販売する株式会社「なまら十勝野(とかちや)」(小山勉社長)を設立した。各農家の野菜を同社ブランドとして、道内外の飲食店や加工業者、スーパーなどへ出荷する。インターネット販売や町内での直売所運営にも取り組む。「安心感・安全性・美味(おい)しさ」が消費者に見える形を追求し、次の世代が魅力に感じる農業経営を目指す。

 なまら十勝野は消費者と農家をつなげようと、2007年に農家4戸で有志組織として発足。土作りなど野菜のおいしさを求めながら、スーパーなどでの対面販売や、飲食業経営者らとの異業種交流を深めてきた。メンバーは28~44歳の若手農業者で、生産する野菜は30種類に上る。ゴボウやアスパラの他、小玉スイカやパプリカなど珍しいものもある。

 株式会社化は今後、取引先となる飲食店や加工業者を拡大していく上で、経営理念や今後の目標を明確にし、融資を受けやすくするのが目的。資本金は500万円で、各農家が出資した。

 今年はカット野菜の加工などを手掛ける「富士食品工業」(群馬県)に出荷するキャベツやレタスの契約栽培を始める。7月上旬には町内のフリースペース「リビングカフェENGAWA」(本通3)で、早朝の直売所を開設する。

 インターネット販売も含め、今年度の売り上げ目標は8000万円。5年後には2億円を目指す。将来的には自社農場の所有も視野に入れる。

 情報通信技術の活用にも積極的で、クラウドサービスを利用して生産者が生育状況や農薬管理などを共有するシステムを構築。提携する飲食店の注文に応じたり、売り上げ動向を確認したりして連動を図る。

 株式会社は1日に設立。7日に帯広市内のグランテラス帯広で総会が開かれ、会社概要などを発表。メンバーとなった農家が決意表明した。中には会社設立や家族への思いがこみ上げ、言葉に詰まる農家も。小山社長は「先人の思いに感謝し、仲間とともに挑戦する姿を次世代につなぎたい」と語った。(深津慶太)

関連写真

  • 芽室の「なまら十勝野」株式会社化 次世代魅力感じる営農を 2

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  • 経営理念を紹介する小山社長

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