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芽室・異国の地で農業後継者目指す クレイガンさん

みなみさん(左)の実家に就農したクレイガンさん。育てたベビーリーフが愛菜屋に並ぶ

 【芽室】米カリフォルニア州出身のタール・クレイガンさん(35)が、町平和の農家鈴木哲也さんの後継者として働き始めた。今年はベビーリーフのハウス栽培を任されるなど、充実した毎日を送る。町内で外国人が後継者として就農するのは珍しい。野菜を納品する農産物直売所では、他の農家との会話にも花を咲かせ、芽室での生活を楽しんでいる。

 クレイガンさんは、2010年に同州の短大で学んでいた時に、留学中だった鈴木さんの長女みなみさん(28)と出会い、12年に結婚。短大卒業後は現地でバーテンダーとして働いていたが、結婚を機に4年前に芽室町を訪れ、自然が多い環境やみなみさんの家族に惹かれて昨年移り住んだ。

 すぐにゴボウ掘りなど農作業に取り組み始めたクレイガンさんは、トラクターの運転にも挑戦。みなみさんは「運転の勘が良いみたい」と笑顔を見せる。

 4月には農業後継者の1人として、JAめむろ主催の激励会に出席。今年は24人が就農し、管内でも若い後継者が多い芽室だが、外国人が後継者として就農するのは「町内では聞いたことがない」(JAめむろ)という。

 今年は、ビニールハウスの中でベビーリーフレタスの栽培を任された。哲也さんに教えられた昨年とは違って自分一人で担当する。難しかったのは種を植えた後にかける土の量だ。「重いと(芽が)出てこない。少ないと乾く」とクレイガンさん。試行錯誤しながら育てたベビーリーフは、5月に町内の農産物直売所「愛菜屋」に並べた。

 朝の愛菜屋では、同じく手掛けた野菜を持ち寄る農家に「お疲れさまです」と日本語で声を掛ける。「最初は見慣れない外国人がいると遠巻きに見られることが多かった。でも昨年度が終わった後の懇親会で一気に打ち解けた」という。

 出身地にはない多くの雪に囲まれた昨冬だったが、「冬は仕事がなくて退屈。ずっと働いていたい」と話すほど、農業を楽しむクレイガンさん。将来はカフェのように人々が集う場所を作るのが目標だ。(深津慶太)

 

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