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新たな地域交流の場に 電信通りのサロン齋藤亭で完成記念式典

サロン(奥)の完成を喜ぶ長谷理事長と冨山さん(左から)

 帯広電信通り商店街振興組合(長谷渉理事長)が古民家を活用し、整備を進めてきたコミュニティー施設「salon(サロン)齋藤亭」(帯広市東2南4)が完成した。15日に同所で完成記念式典が開かれ、関係者が新たな地域交流の場の誕生を祝った。

 この古民家は、裁判官だった故齋藤長明さんが退官後の1934(昭和9)年に建築した。齋藤さんの妻の故タミさんは十勝バス創業者の野村文吉さんの妹。建物は長く齋藤家の住宅だったが、家人が倒れてから、ここ8年ほどは使われていなかった。

 同商店街が行った地域住民のニーズ調査では、コミュニティー施設の要望が多かった。そこで、商店街側は商店街からほど近く、一定の広さを備えた古民家の利用を計画。齋藤さんの孫で建物所有者の冨山弘美さんの協力を得て、今回の整備が実現した。事業は経産省北海道経産局の「地域商業自立促進事業」に採択され、補助金約1730万円を活用した。

 施設は木造1階建て。10畳、20畳の和室と10畳の洋室、キッチン、ダイニングがあり、それぞれ講演会やコンサート、茶会、会議、料理教室などの会場として貸し出す。その他、書庫やピアノも備える。同組合と冨山さんが共同で管理、運営する。

 冨山さんは「私自身も高校3年生まで暮らした家が、こうして利用されることがうれしい。『齋藤』の名前を残してくれたこともありがたい」と話す。

 式典には組合員や道経産局などの関係者ら約50人が出席。長谷理事長は「地域に役立つ施設として、商店街の全員で施設を進化させたい」とあいさつした。道経産局商業振興室の高橋司室長は「商店街にとって大きなインパクトになるハードができた。地域にどう活用してもらうかのソフト面が重要」と述べた。

 団体の利用は3時間まで1000円(冬季は別に暖房費500円)、キッチン・ダイニングは3時間3000円。6月から当面の間は月-金曜の午前中に個人向けに開放する予定。問い合わせは冨山さん(090・8426・1563)へ。(丹羽恭太)

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