「バスドライバー甲子園」開催へ一丸 管内の事業者ら
【東京】十勝管内のバス事業者や関係機関、団体の間で、バス運転手の現場視点から業界活性化を図る「バスドライバー甲子園」開催の構想が浮上している。7日には、都内で開かれた「トラックドライバー甲子園アワード」(一般社団法人ドライバーニューディールアソシエーション主催)を視察した。人材不足や高齢化などバス、トラック双方の共通課題を認識し、「バス版の甲子園」を通じて十勝や北海道から業界改革を発信したい考えだ。
視察したのは、十勝バスの野村文吾社長、長沢敏彦事業本部長、北海道拓殖バスの中木基博常務、北海道バス協会の野川祐次参事、帯広運輸支局の頼本英一首席運輸企画専門官、帯広商工会議所の運輸・交通部会を担当する渡辺啓太主事。十勝バスをモデルにしたミュージカル「KACHI BUS」の原作本著者で経営コンサルタント業WAYOUTカンパニー(東京)の吉田理宏社長も同席した。
野村社長は2014年に国土交通省のバス運転者の確保育成検討会委員を務めた際に「バスドライバー甲子園」を提案し、提言書に盛り込まれた。今回、関係事業者と機関で共通認識を持ち、今後の具体的な行動に-と野村社長の呼び掛けで視察が実現した。会場では人材不足と長時間労働、過当競争による運賃、給与低下の「負の循環」が課題として挙げられ、現場レベルでの改善策を考えた。
十勝地区バス協会(野村会長)は昨年9月、帯広まちなか歩行者天国会場で「バスドライバーコンテスト」を開き、現役運転手による点検作業を来場者が採点する催しやバスグッズ展示などを行った。今後、トラック甲子園を参考にして発展させたバス版につなげ、業界活性化策を発信する。
バス業界での同様の事業は宮崎県にもあり、互いに情報共有を進めているという。野村社長は「運輸業界共通の課題を明確化し共有できた。十勝でも現場発信の具体的な一歩につなげたい」と話している。
(原山知寿子)
選考を経た優秀な会社やドライバーが参加する全国イベント。企業価値向上について発表し、規範となる取り組みを表彰する。