45年のサンタ役にお別れ 鹿追の武藤昇さん“引退”
【鹿追】武藤サンタさん、45年間ありがとう-。通明保育所(崎野靖子所長、園児15人)と通明小学校(須永正志校長、児童17人)の1・2年生による恒例の合同クリスマス会が18日、同保育所で開かれた。今年も地域在住の武藤昇さん(89)がサンタクロース姿で子供たちに夢とプレゼントを届けたが、高齢の武藤さんは今年が最後としており、子供たちは元気いっぱいの歌や遊戯などで武藤さんに感謝の気持ちを伝えた。
武藤さんが「地域の子供たちのために役に立ちたい」とサンタとなってクリスマス会に登場したのは1971年。以来、毎年欠かさず自費でプレゼントを用意し、子供たちを喜ばせてきた。
しかし、近年、体調を崩して入院し、視力も弱っていることなどから、今年を最後に“引退”を決断した。
この日のクリスマス会には園児13人と小学1・2年生3人が参加。武藤サンタの登場に子供たちの歓声が上がり、全員で「あわてんぼうのサンタクロース」を歌って歓迎した。
子供たち一人ひとりが武藤さんの前に立って「サッカーで頑張るよ」「スケートで1位になる」「小さな子の世話をします」などと目標を発表し、武藤さんは「頑張るんだよ」と声を掛けながらお菓子の詰まったボックスを手渡した。
子供たちからは「いつまでも元気でいてね」などと手作りの花束やメダル、感謝状などが贈られ、武藤さんも目を細めていた。
佐藤瑞穂ちゃん(5)は「プレゼントもらってうれしい」と笑顔。熊谷しゅうさん(2年)は「足とか痛くなっても頑張ってほしい」と武藤さんの健康を気遣っていた。
退場の際には子供たちから玄関まで見送りを受け、武藤さんは「子供たちとの交流が楽しく、それを励みに続けることができた」と感無量の表情を見せていた。(大野篤志)