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豊頃小の天文ドーム、設置の由来は? まちマイ豊頃編

道内でも珍しい設備。児童たち自慢の天体ドーム

 約2カ月ぶりに帰ってきた「まちマイ」。今回紹介するのは「豊頃」。十勝地方発祥の地・大津地区や、二宮金治郎の孫が開拓の祖である二宮地区があるほか、ダイコンの生産地としても知られる。そんな魅力ある豊頃を「まちマイ」記者が、独自の視点で5回にわたって特集する。初回のテーマは「不思議」。知っているようで知らない話題の数々を紹介する。

屋上に開く宇宙への窓
 豊頃小学校(家田輝校長、児童136人)は、屋上にドーム型の天体観測室を持つ、道内でも数少ない小学校だ。同校では天体観測会などで活用し、「学校の自慢の設備」と胸を張る。ただ、設置の由来は余り知られていない。

 同観測室は1991年に豊頃小の移転・改築に伴い設置された。天井はドーム型で開閉式、室内には自動回転する直径150ミリ屈折式望遠鏡が配備されている。20人も入ればびっしりになるようなスペースだ。

 実は、この改築に合わせ閉校し、同小に統合された礼文内小にもかつてドーム型の簡易天文台が学校敷地内にあった。閉校記念誌によると、82年当時の校長が転出時に寄贈した天体望遠鏡の活用を目的に町の予算で85年に作られたのだ。

 「何か関係があるのでは…」と、91年前後に町教委学校教育係長だった友重誠一さん(62)=町在住=に聞いたところ、「改築の数年前から学校や行政などで新校舎検討委員会を作り、『目玉になるものを』と議論した。記憶では、天文台は学校側から出た意見の一つだった」との証言。ただ、礼文内との関係は「望遠鏡は新しく購入した。関係があるかは分からない」と申し訳なさそうに話した。

 改築前後に赴任していた豊頃小や礼文内小の教職員にも聞いた。多くの人が「覚えていない」とする中、89年まで7年間豊頃小に赴任した平林照雄さん(67)=音更在住=が「実は私が当時の校長に提案しました」との明言。さらに「野花南小(芦別、現在は閉校)をヒントにした」とも。平林さんによると、ある年の夏休み、新校舎に関するアイデアを出すよう校長から職員全員に“宿題”が出された。妻の実家の芦別に帰省途中、ドーム型の天文台がある学校(野花南小)を見て、「これだ」と発案したという。「後に取り入れられたと知り、驚きました」と話した。

 豊頃小では設置以来、担当教諭を配置し、PTA事業として天体観測会を年に数回開催。現在担当の青柳雅哉教諭は「霧などで中止になることもあるが、親も子も木星などが自分の目で見えた時の感動が大きく、教育効果も高い。大切にしたい」と話していた。(佐藤いづみ)


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