女性目線で防災教育 芽室・気象予報士の高桑さん
【芽室】町内の主婦で気象予報士の高桑衣佳さん(37)が、子供や保護者向けの防災教育の普及に奮闘している。町主催の防災出前講座などに協力し、2児の母親としての目線と分かりやすい語り口で、災害に備える大切さを伝えている。
高桑さんは徳島県出身。帯広畜産大を卒業後、町内に道総研十勝農業試験場に勤める夫と結婚し、町内に住む。2人目の子供が1歳の誕生日を迎えた3年前に「新しいことに挑戦したい」と以前から興味があった気象予報士を目指すことを決意。家事や子育てと試験勉強を両立し、昨年3月に合格した。
「気象庁は警報などさまざまな情報を発信しているが、その情報の要点が住民に伝わっていない」と感じていた高桑さん。合格後すぐに町内の子育て中の親たちで作るグループから講演依頼を受けたのをきっかけに、気象や防災知識の普及活動を始めた。
帯広測候所の紹介で芽室町役場の防災担当部署と連携。9月26日、町内の保育施設「トムテのいえ」の入所児と保護者を対象とした防災講演会でも、緊急地震速報が発表される仕組みや芽室町で予想される災害について講演した。高桑さんは人気アニメのキャラクターが登場するスライドを上映して、子供たちの気を引きながら説明していた。
町は昨年から子供やその保護者向けに出前講座を始めており、町総務課の佐藤春雄さんは「母親が子供に教えるように専門用語を分かりやすく説明してもらい助かっている」と話している。
「子供は全て覚えられない。後で断片的にでも思い出せるように印象づけられれば」と語る高桑さん。今後は道内の女性気象予報士と協力した天気実験教室などを企画するなど、さらに普及活動に力を入れるつもりだ。(深津慶太)