子供たちの登校見守り10年 本別の田西さん夫妻
【本別】町内の子育て支援互助組織「せわずき・せわやきたい」(通称すきやきたい)の田西昭さん(75)、昭子さん(75)夫妻=柏木町=が10年間にわたり、児童・生徒の通学を見守り続けている。子供たちとの世代を超えた交流も広がっており、関係者からは地道な活動に対して称賛の声が上がってる。
「すきやきたい」は2005年7月、約35年間、町内で保母として働いた昭子さんが中心となって発足。夫妻は発足当初からボランティアで通学路の見守り活動を続けている。
平日の毎朝約1時間、南4の国道242号交差点と「愛のかけはし」に立つ。登校する児童・生徒約50人に「おはよう。元気でいってらっしゃい」と声を掛け、子供たちが笑顔で応える光景が10年間続いている。
毎日午前5時に起床、同6時に朝食を済ませて、午前7時に“出勤”。夏の炎天下、厳寒期、風雪の日も休みなく子供たちの通学を見守っている。冬期間は通学路の除雪にも汗を流す。
昭子さんは「元気に通う子供たちの顔を見るのが何よりの楽しみ。健康の秘訣(ひけつ)です」、昭さんも「冬は立ち続けるのが大変だが、生活の張りになっています」と話す。
同所は町内交通の要衝で、朝は通勤車両など交通量が多い。ビートなどの農産物の収穫期には大型ダンプも通行するが、これまで幸い事故はない。
見守り始めたころの当時の小学生が、高校を卒業し帰省中に見守りの場にあいさつに顔を見せるなどの交流もあり、夫妻は「子供たちの成長が楽しみで続けられている」と話す。
「すきやきたい」事務局の町こども未来課の大橋堅次課長は「10年もの長い間、毎日子供たちに寄り添った活動をしていただき感謝している」と話している。
(鈴木裕之)
町のファミリー・サポートセンター事業。子育ての援助を必要とする人と子育ての援助を提供し、社会的な役割を果たそうとする人を結びつける制度。現在は約40人が登録し、子供の一時預かりや産前産後・病弱者家庭への訪問援助、通学路の見守りなどを行っている。