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まちむら特報部「生徒をブランド認証士幌高・志プロジェクト」

今年度から「志」プロジェクトを展開する農業クラブ執行部のメンバー

 【士幌】士幌高校(谷口宏校長、生徒149人)は今年度から、夢や希望を持って頑張る生徒を同校の“ブランド”に認証する「志」プロジェクトに取り組んでいる。生徒をブランド化して地域に発信することで、生徒自身にとっては夢や目標に突き進むための原動力、さらには同校のPRにつなげるのが狙い。学校内部の取り組みは町内へ徐々に浸透し始めている。

 同プロジェクトは、「学校活動を支える生徒たちの夢や目標をもっと目に見える形で発信しよう」という声が校内で高まったのが始まり。その際、学校行事の企画・運営を担う農業クラブ執行部が中心となって生徒自らをブランド化する管内他校でも例がない画期的な試みを考案。士幌の「士」と生徒の思いが詰まった「心」を組み合わせ、生徒自身が高い「志」を持って活動できるという意味も込めてこの名称を付けた。

 ブランドの認定基準として、(1)士幌の地域風土に根差した活動であること(2)士幌高校で農業の知識や技術を生かした技能や製品であること(3)生徒自らの夢や目標に向かって取り組む活動であること-の3つを設定。認証書や小冊子の作成、写真付きでその活動内容と生徒の思いをつづったポスターの制作などを今年度の主な事業に盛り込んだ。

 まず町民らに同プロジェクトを知ってもらおうと、畑作や食品加工といった各専攻班を紹介するポスターを作り、昨年7月の学校祭で掲示。その後は農業クラブを含め、生徒個人の頑張りや部活動の成果にも目を向け、約8カ月で104の生徒をブランド認証した。

ブランド認証の第1号に選ばれた掛川さん。手に持っているのは自身の取り組みや思いが紹介されたポスター

 同プロジェクトに対する生徒の反応も良好だ。昨年10月に第1号となる認証書を手にした草花専攻班の掛川葉月さん(3年)は、食用花で知られるエディブルフラワーの活用に精を出す姿が同部の目に止まり、「最初は認定を受けたことに驚いた。でも、それからはもっと活動を知ってほしいという気持ちが強まった」(掛川さん)と話す。翌11月には町内の催しで来場者にエディブルフラワーを試食してもらう機会もあり、「町民との交流が深まったのと同時に販売という目標ができた」と振り返る。また、同校唯一の野球部員の土屋将貴君(2年)は、野球部代表で認証書を受け取った。同部が町民を対象に集計したアンケートで野球部の頑張りをたたえる声が多かったことから選ばれ、「頑張りを認められてうれしい。今後も大好きな野球に打ち込む姿を見せたい」と意気込む。

 農業クラブ員の活動を紹介する情報誌などでも同プロジェクトが取り上げられ、同部を指導する國井愛教諭は「ブランド認証を希望する生徒が徐々に増えていることは事実。表に出る機会の少ない生徒が脚光を浴びることで、活動のさらなるステップアップも見込まれるのでは」と期待する。谷口校長も「夢や目標を見出し、有意義な学校生活を送ろうと何かにチャレンジする姿勢がこれまで以上に見られる」と評価する。

 同部は2年目の活動に向け、同プロジェクトと一目で分かるロゴマークやパッケージの導入などを検討中。生徒が校内で作った加工品にそれを取り入れる形での方法を模索している。農業クラブの大内乃愛副会長(2年)は「まずは全校生徒をブランド認証し、ゆくゆくはこのプロジェクトが町内だけでなく、十勝、全国へ発信していきたい」と話している。(小縣大輝)

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