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雌阿寒岳麓の足寄町「防災体制を再確認」御嶽山噴火で

2008年11月に小噴火を起こした雌阿寒岳の第4火口(手前)とポンマチネシリ96-1火口(足寄町の田村勝夫さん提供)

 【足寄・新得】登山客ら12人が死亡(30日正午現在)した御嶽山(長野・岐阜県、3067メートル)の大規模噴火を受け、十勝管内にある活火山の麓地域では「人ごとではない」と警戒感を募らせている。管内関係では、雌阿寒岳(1499メートル)と十勝岳(2077メートル)が気象庁の常時監視を受ける噴火警戒レベルが設定された活火山。近年、大規模な噴火災害は起きていないものの、防災体制を再確認する動きも出ている。

 「大きな山ではないが、観光シーズンに大規模噴火があれば非常に危険だ」。足寄町の渡辺俊一総務課長は、御嶽山の大規模噴火災害に雌阿寒岳の想定災害を重ねる。

 足寄町と釧路市にまたがる雌阿寒岳。火口から約2キロ圏内に温泉街があり、同3キロ先には年間40万人の観光客が訪れるオンネトーがある。過去20年間で小噴火が計4回あり、2008年11月を最後に小康状態。いずれも人的被害はないが、比較的に短い周期で小噴火を繰り返す。

 同町では、雌阿寒岳山頂付近に3つの想定火口を設定し、火砕流や溶岩流、降灰などの被害想定を盛り込んだ火山ハザードマップを作成済みだ。また、釧路市など関係機関でつくる雌阿寒岳火山防災会議協議会では、噴火時の避難誘導などの災害対策も備える。

 だが、「御嶽山噴火でも言えるように、いつ、どの程度の規模で雌阿寒岳が噴火するか分からない。改めて防災体制を確認し直すことが必要」と渡辺課長。2日に開催予定の同協議会で、関係機関との間で噴火時の対応や意思統一の方法などについて改めて協議するという。

 一方、新得、上川管内上富良野の両町境界にある十勝岳は62年6月に大噴火した。当時、死者は出なかったが、トムラウシ地区では降灰と亜硫酸ガスの発生が確認された。

 新得町では10月に改訂予定の町地域防災計画に、噴火災害の防災体制を新たに盛り込む方向で作業を進めていた。御嶽山噴火はまさにその作業時期に重なり、「噴火災害への備えの必要性を改めて感じた」(町総務課)。

 同町では10月上旬と11月中旬の計2回、気象庁から火山活動の説明を受ける機会がある。同課は「十勝岳の火山活動の現状把握に加え、噴火時の対応をしっかり学び、防災計画に反映していきたい」としている。(杉原尚勝)

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