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市長が「収束宣言」 帯広市成人の集い乱入問題で被害届出さず

自らの式辞の途中に一部新成人が乱入した問題について、記者会見で説明する米沢則寿市長(23日午後3時20分ごろ、塩原真撮影)

 12日に帯広市民文化ホールで開かれた「市成人の集い」(市、市教委主催)で一部の新成人がステージ上に“乱入”し、式が一時中断した問題で、米沢則寿市長は23日午後に市役所で記者会見した。問題を起こした新成人12人から文書や対面で謝罪を受け反省の態度が見られたとし、市として帯広署に被害届は出さない考えを示し、事実上の「混乱の収束宣言」をした。

 市によると、集い翌日の13日に混乱に関わった新成人の一部の親から市に謝罪したい旨の電話連絡があった。翌14日に新成人の代表者2人から来庁し謝りたいとの連絡があり、15日に嶋野幸也副市長が面会し、事情説明を受けた。17日に12人全員から反省文の提出を受け、21日に米沢市長が、うち9人と約20分間にわたり面談したという。

 9人からは「軽はずみな行動で過ちを犯し、他の新成人や関係者に迷惑を掛けた」「ボランティア活動で社会に貢献したい」などの“反省の弁”が聞かれたという。米沢市長は式典を台無しにした事の重大さや社会のルールなどを説諭したとし、「理解してくれたと認識した」ことから、市として今後は責任を追及しない考えを説明した。

 また、「けがや器物損壊はなかったが、主催者として混乱を未然防止できず新成人や家族、市民に不快な思いをさせたことにおわび申し上げる」とした。問題の新成人の1人が酒気帯びだったことを確認したとし、次年度以降は酒気帯び状態での入場拒否の徹底などの対策を取る考えを示した。

 市内在住8人、市外在住4人で職業などは不明という。寄せられた反省文は1人A4判1枚程度とされ、市は内容について「個人情報に当たる」として公表していない。動機について、米沢市長は「面談時の印象では『目立ちたかった』『騒いでみたかった』などの気持ちで計画性がある雰囲気はなかった」と述べた。

 市町村長が一喝した地域もある中で、自らは注意、制止しなかった点について、「あの場面で怒鳴っても聞くはずがない。職員に任せるのが収束に一番早いと判断した」と説明。帯広署が威力業務妨害容疑で捜査していることに関しては「市としてはこれ以上のアクションはしないが、帯広署が必要な仕事として市に協力を求めるのなら、市として断る理由はない」と述べた。

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