萩ヶ岡簡易郵便局 マニアの民宿経営者が再開 上士幌
【上士幌】一時閉鎖となっていた萩ヶ岡簡易郵便局が2日、民宿「かぶとむし」(上士幌東3線288)に併設する形で6年ぶりに営業を再開した。民宿との併設は日本で2番目、道内で初めて。民宿の代表で郵便局長となった神田到さん(52)は、旅行で全国各地の郵便局を回るほどの“郵便局マニア”で、「郵便局を開けるなんて夢みたい。地域に愛される郵便局にしたい」と話している。
同郵便局は1993年、無集配特定局だった萩ヶ岡郵便局の廃止を受け、町が事業を受託する形で同年に開局した。しかし、郵便や貯金、保険などの取扱量や手数料収入が減り、後継者が見つからなかったこともあり、郵政民営化の流れの中で2007年から一時閉鎖となっていた。
その後、日本郵便が再開者を募集し、「もともとやりたかったし、地域の人の役に立ちたい」と神田さんが再開することが決まった。
神田さんは86年に民宿を始めた。約25年前から宿泊者の影響を受け、全国各地の郵便局を回って100円ずつ貯金し、その郵便局のゴム印を押してもらっている。これまで宗谷岬や沖縄県の西表島(いりおもてじま)など全国約2000局を訪れた。
インターネットでの送金などもできる時代だが、高齢者が多い萩ヶ岡地区にとって、簡易郵便局の再開は「助かる」と地元住民からも喜ばれているという。
同局では郵便、貯金、保険、物販サービスを行う。神田さんの妻の敦子さん(51)と2人で営業している。愛猫の「ちょび」が出窓で出迎えることも。神田さんは「気軽にみんなが利用できる雰囲気作りをしていきたい」としている。
営業時間は平日午前9時~午後4時。12月31日~翌年1月3日は休み。電話は01564・2・5303。(津田恭平)