十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

「在宅ケア」連携・支援 医師有志「ネット」発足

設立総会で意見を交わす会員

 一人の医師では提供が困難な在宅医療を組織で実現しようと、管内の医師有志による「十勝在宅医療ネットワーク」が11月30日、発足した。在宅ケアに携わる医療、介護、福祉関係者による連携・支援体制を整えることで、十勝の在宅医療の量的・質的拡大を図る。来年度にも帯広市内近郊3町で、在宅に携わる医師をサポートする往診支援事業などを始める。

 国は今後のあるべき医療・福祉の姿として、在宅ケアを中心に据えている。一方、十勝は24時間体制で在宅医療を提供している機関は極めて少なく、患者・家族が希望しても引き受け手を探せないのが現状。在宅医療を推進するためには、限られた人員や設備などの社会資源を有効活用することが重要で、医師らの間で連携を模索する機運が高まっていた。

 同ネットでは一人開業医でも積極的に在宅に参画しやすいよう、ネット内の医師・医療機関による24時間体制のバックアップ体制を整える。夜間・休日などでかかり付け医が往診できないときに、当番制で別の医師が往診するか、事務局が会員の中から代わりの医師を探すかなど、具体的な手法は今後検討する。

 また、医師だけでなく医療・介護・福祉などの関係者が協働することで、包括的な在宅ケアの実現を目指す。多職種間の連携を強化するため、ITを用いた情報共有システムも導入する。症例検討会や研修会なども開く。

 取り組みを在宅のモデルとして確立し、管外から医師の研修を受け入れることで、十勝で在宅に携わる医師数の増員も図りたい考え。市民向けの講演など在宅普及に向けた啓発活動にも力を入れる。

 発起人の酒井俊医師(帯広第一病院)を中心に、市内近郊の医師7人で発足した。同日午後、同病院で設立総会が開かれ、規約や事業計画などを決めた。代表幹事には酒井医師が選ばれた。事務局は同病院内に置く。今後、ネットに参加する医師らを順次募りながら、来年度から各種事業を本格的にスタートさせる。まずは市内近郊で始めるが、2017年度をめどに対象地域の拡大を目指す。酒井医師は「広い十勝で、限られた人的資源の中で在宅医療を進めていくためには、縦横のネットワークの形成が不可欠」と話す。
(丹羽恭太)

 その他の会員、役職は次の通り。(敬称略)

 ▽副代表幹事=阿部郁代(おとふけホームケアクリニック)▽幹事=稲葉秀一(いなば内科呼吸器科)、西田雅喜(西田内科医院)、谷田憲俊(十勝リハビリテーションセンター)、景山倫彰(帯広第一病院)▽監事=山川敦(山川内科医院)

関連写真

  • ネットワークの設立メンバー。前列右から2人目が酒井医師

    ネットワークの設立メンバー。前列右から2人目が酒井医師

更新情報

帯広市民劇場賞に帯広版画協会と小林徹士さん

紙面イメージ

紙面イメージ

10.20(日)の紙面

ダウンロード一括(66MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年10月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME