撮り鉄の聖地増田山 まちマイ新得編
新得町市街から西に約7キロ、日高山脈のふもとに「増田山」はある。山と言っても明瞭なピークがあるわけではなく、十勝平野から日高山脈への連なりの中にある小高い丘のようなもの。標高423メートルの頂上まで林道を通って車で行けるが、あえて訪れる人は少ない。一部の人を除いて-。
増田山には週末になると、高級なカメラを抱えた男たち(一部女性も)が集まる。レンズの先には、青い車体が美しい特急スーパーおおぞらが、大きなカーブを描きながら走る姿が見られる。そう、彼(彼女)らは鉄道写真愛好家、いわゆる“撮り鉄”だ。
新緑と列車、紅葉と列車、白銀の大地と列車、牧草を食(は)む肉牛と列車-。四季折々の雄大な風景と列車の共演は、全国の鉄道ファンを魅了してやまない。一部のファンには“撮り鉄の聖地”との呼び声も。
5年ほど前の夏に撮影に来たことがあるという神奈川県川崎市の団体職員沢崎賢司さん(39)は「列車を格好良く撮るのは難しいポイントだけれど、奥のカーブも含めるとジオラマのように見える。本数の少ない列車を待っている時間ものどかで気持ち良かった」と増田山の魅力を語る。(丹羽恭太)