富村牛小中学校 まちマイ新得編
富村牛小中学校(清水敏文校長、児童・生徒15人)は町屈足トムラウシ、大雪山国立公園の中に位置する。豊かな自然環境や小規模・小中併置の特性を生かした貴重な学びの場を、地域と一体となって子供たちに提供している。
同校はトムラウシ地区が林業で栄えていた1948年、岩松小学校ニペソツ分校として開校(49年に富村牛小学校として独立)した。児童・生徒数は55年に富村牛中学校と合わせて109人に達したが、林業の衰退や離農に伴って減少の一途をたどった。
95年に親子での山村留学を積極的に受け入れ始め、現在は15人のうち8人が留学生だ。多くは本州から自然の中での教育を求めてやってくる。
同校の自然体験活動は、農作物の栽培や山菜採り、オショロコマ釣りなど、地の利を生かしたメニューが並ぶ。これらの活動を可能にしているのが、地域住民と教職員が一体となって運営する「トムラウシ少年グリーンクラブ」の存在だ。
同クラブは形式的には課外活動に当たるが、実質的には学校活動と不可分で、全児童・生徒が参加している。地域理解や人間理解を深めることを目的に、自然体験の他、清掃活動や植樹などを行っている。
同クラブ最大の行事は、毎年夏に小学5年生以上(保護者同伴で4年生も可)を対象に実施するトムラウシ登山。今年も7月末に1泊2日の日程で9人の子供たちが参加。地域住民や保護者、教職員ら計13人のサポートを受けながら登頂を果たした。
テントを持つ係になった沼澤七海さん(中学1年)は「登り切れるか心配だったが、先発隊で登ることができた。つらいからこそ、大きな感動を味わえた」と振り返り、最後の年となる宮下広都君(同3年)は「たくさんの人に助けられ、誰一人欠けずに山から下りて来られた」と周囲への感謝の気持ちを語る。
清水校長は「大人も子供も一緒に活動する風土がこの地域には残っている。この風土と大自然の厳しさや慈しみの中で、子供たちが学び合い成長する環境をこれからも与えていきたい」と話す。(丹羽恭太)