北の屋台の運営組合解散へ 帯広 年内めどに譲渡先選定
屋台村「北の屋台」を運営する北の起業広場協同組合(林隆義理事長)は29日午前、帯広市内の同組合事務所で会見を開き、来年3月で解散すると発表した。理事同士の対立で「信頼関係がなくなり、疲れた」(久保裕史専務理事)のが理由。屋台村事業は存続させる方針で、年内をめどに譲渡先を選定する。中心市街地活性化の成功事例として全国的な注目を集める北の屋台は、オープン12年で岐路を迎えた。
28日午後に開いた理事会、臨時総会で組合員(理事)8人の全員一致で解散を承認した。屋台事業の営業権は無償で第三者に譲渡する考え。譲渡先は未定だが、公共性の高い団体・組織を中心に選定する。現在行っている来年度以降の出店者募集や計画しているイベントなどは引き続き継続する。各店の代表には29日午後1時から説明された。
組合運営をめぐっては、理事の一部交代があった2007年ごろから8人の理事の間で運営方針などで不協和音が持ち上がっていた。今年に入ってからは組合会計処理の在り方で理事の間に不満の声が出始めた他、一部月刊誌に組合運営を疑問視する記事が掲載されるなど、表面化していた。
林理事長は「(屋台は)十勝・帯広の宝と呼ばれるほどになり、うれしい。多くの人に愛される屋台を今後は側面で支援したい」としている。
同組合は、帯広青年会議所のメンバーなどが設立した十勝環境ラボラトリーが母体。1999年、「北の屋台ネット委員会」に組織変更し、2000年に設立された。翌年オープンした北の屋台は、年間15万人以上を集客する人気スポットとなっている。現在は20店が軒を連ねている。11年度決算は181万円の黒字で、健全経営を続けている。(長田純一)