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飼養頭数規模拡大が牛乳生産費に及ぼす影響と TMRセンター加入によるコスト低減効果

酪農試験場 酪農研究部 乳牛グループ

1.試験のねらい
 草地型および畑地型酪農地帯の経産牛150頭以上の大規模酪農経営においてTMRセンター(以下、TMRC)を利用して自給粗飼料を安定確保する優良事例を対象に、自給粗飼料の安定確保が牛乳生産費に与える効果を明らかにする。

2.試験の方法
1)飼養頭数規模と牛乳生産費の関係および地域間差の解明
  牛乳生産費調査個票の組み替え集計により、飼養頭数規模の拡大が生産要素の投入・産出および牛乳生産費に及ぼす影響とその地域間差の解明。
2)大規模酪農経営における牛乳生産費
  TMRC利用経営と未利用経営を対象に、飼養頭数の規模拡大が自給飼料確保及び牛乳生産に及ぼす影響とTMRC利用による牛乳生産費低減への効果の解明。
3)優良事例におけるTMRセンター利用が牛乳生産費等に及ぼす効果
  TMRC加入前後における投入・産出、牛乳生産費を比較し、自給飼料の安定確保が牛乳生産費に与える効果の解明。

3 成果の概要
1)草地型酪農経営は大規模ほど経産牛1頭当たり濃厚飼料給与量が多いため、経産牛(以下、省略)1頭当たり全算入生産費が増加し、実搾乳量(以下、省略)100kg 当たり全算入生産費は経産牛50~79頭層を底に横ばいになる。畑地型酪農経営の1頭当たり全算入生産費は経産牛80~99頭層まで低下するが、経産牛100頭以上層はとうもろこしサイレージ給与比率が少ない下で経産牛1頭当たり実搾乳量(以下、個体乳量)が低いため100kg 当たり全算入生産費は高くなる(表1)。経産牛100頭以上層で、かつ成牛換算1頭当たり耕地面積が50a を下回る階層は濃厚飼料多給で個体乳量を高めているが、100kg 当たり全算入生産費が高まるため、1頭当たり耕地面積の確保は重要である(図表略)。
2)根室の経産牛200頭以上層は、経産牛150~199頭層に比べ、1頭当たり全算入生産費が高く、100kg 当たり全算入生産費も高い(表2)。十勝の経産牛200頭以上層は、経産牛150~199頭層に比べて、1頭当たりおよび100kg 当たり全算入生産費が低い。根室・十勝ともに、TMRC 加入経営は非加入経営に比べて経産牛1頭当たりの流通飼料費と牧草・採草・放牧費の合計は高くなるが、個体乳量は1,000kg 程度高いため、TMRC 加入経営の100kg 当たり全算入生産費は非加入経営より低い。
3)草地型酪農地帯と畑地型酪農地帯では、自給粗飼料基盤や施設投資時期の違いから、大規模化に伴う投入産出の実態は異なるが、いずれの大規模酪農経営も、1頭当たり耕地面積の縮小で自給粗飼料の不足が生じた結果、個体乳量や飼料効果が停滞し、100kg 当たり全算入生産費の低減は抑制された。規模拡大で生じた粗飼料不足等の課題解決に向け、経産牛200頭以上層の調査事例はTMRC に加入し、成牛換算1頭当たり耕地面積の増加、草地更新率の向上、ふん尿施用量の適正化の実現とともに、適切な飼養管理の下で高乳量を実現した結果、1頭当たり全算入生産費は高まるが、飼料効果向上により100kg 当たり全算入生産費を6.2~8.6%低下した(表3)。

4.留意点
1)酪農経営間および頭数規模間で自給粗飼料過不足が生じている地域が対象。
2)TMRセンターに加入する生産者は乳量及び飼料効果の向上によるコスト低減に向けた飼養管理を行う必要がある。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研酪農試験場 酪農研究部 乳牛グループ 金子剛
電話 0153-72-2158 FAX 0153-73-5329
E-mail kaneko-tsuyoshi@hro.or.jp

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