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黒毛和種去勢牛における26ヵ月齢出荷のための哺育・育成・肥育技術

道総研畜産試験場 家畜研究部 肉牛グループ

1.試験のねらい
26ヵ月齢出荷で慣行肥育と同等の枝肉成績が得られる哺育・育成・肥育技術を開発する。

2.試験の方法
1)試験1:慣行の哺育・育成を行った供試牛を用いた。慣行肥育で28ヵ月齢出荷の慣行区と高CP・高TDN 処理として8ヵ月齢から肥育を開始し、26ヵ月齢出荷の早期区を設定した。早期区の濃厚飼料給与は8ヵ月齢4kg/ 日から開始し、8~15ヵ月齢では摂取飼料中CP 含量が15% となるように大豆粕で調整した。両区とも濃厚飼料給与量は最大10kg/ 日とした。
2)試験2:ほ乳量増量による哺育期発育向上効果を明らかにするため、供試牛は哺育期に代用乳を最大1200g/ 日まで給与した。育成期の濃厚飼料給与量は最大4kg とした。肥育前期は高NDF による肥育期増体効果を明らかにするため、NDF35区とNDF 区40区を設定し、乾草とアルファルファでNDF 含量を調整した。また、肥育中期以降の粗飼料は乾草を給与した。両区とも11ヵ月齢から濃厚飼料を飽食となるまで増給し、26ヵ月齢で出荷した。

3.成果の概要
1)試験1:8ヵ月齢の体重は259kg であった(表1)。早期区は13ヵ月齢から濃厚飼料摂取量が停滞した(図1)。早期区は18ヵ月齢から体重が慣行区より低く推移し、肥育期間日増体が0.78kg/ 日と低く、26ヵ月齢出荷時体重は、同月齢の慣行区より有意に低かった(図2、表2)。早期区の枝肉重量は443.6kg で、慣行区より有意に低かった(表4)。早期区の肥育前期高CP、高TDN による増体効果は認められず、濃厚飼料摂取量の停滞を招き、慣行肥育と同等の枝肉成績は得られなかった。
2)試験2:哺乳量増量により子牛の0- 4週齢日増体は0.93kg/ 日となり、試験1の供試牛と比べ初期発育が改善された(表1)。8ヵ月齢の体重は304kg となり、試験1の供試牛より高かった。11ヵ月齢から濃厚飼料を増給し、両区とも19ヵ月齢で飽食量となったが、NDF40区は24ヵ月齢まで11kg/ 日以上で推移した(図1)。NDF40区は24ヵ月齢で体重が800kg を超え、日増体は1.00kg/ 日となった(図2、表3)。26ヵ月齢出荷体重はNDF35区で808.1kg、NDF40区で824.9kg となった。NDF40区は枝肉重量が538.1kg、胸最長筋面積が79.8cm 2、ばらの厚さが9.07cm、歩留基準値が77.0と高かった(表4)。NDF40区は1kg増体に対するTDN 要求量が7.6kg と少なかった。NDF40区はNDF35区より枝肉重量1kg に対する飼料費が低く、収益性も高かった。
 以上により、哺育期の代用乳は最大1,200g/ 日まで給与、育成期濃厚飼料は4kg/ 日を上限とし、11ヵ月齢から濃厚飼料を増給し、肥育中期以降は飽食給与により、26ヵ月齢出荷で慣行肥育と同等の枝肉成績が期待できる。

4.留意点
1)一貫経営および繁殖経営では肥育素牛生産における発育と収益性の向上、出荷月齢の早期化に活用する。
2)肥育経営では肥育素牛選定と枝肉成績向上および出荷月齢の早期化による収益性の向上に活用する。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 畜産研究部 中小家畜グループ 糟谷広高
電話 0156-67-7880 FAX 0156-64-5348
E-mail kasuya-hirotaka@hro.or.jp

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