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黒毛和種における産肉能力の北海道ゲノム育種価評価システム

道総研畜産試験場 肉牛研究部 肉牛グループ

1.試験のねらい
 道内牛群に対応したリファレンスデータの蓄積方法およびゲノム育種価評価手法を明らかにし、北海道ゲノム育種価評価システムを構築する。構築したシステムの活用による選抜効率の向上度を示す。

2.試験の方法
1)道内牛群に対応したリファレンスデータの蓄積方法およびゲノム育種価評価手法を明らかにする。北海道独自の形質として、新細かさ指数およびオレイン酸のゲノム育種価評価の精度を検証する。
2)種雄牛造成機関および和牛改良組合において、北海道ゲノム育種価評価システムを活用した種雄候補牛および若雌牛の早期選抜の可能性を検証し、選抜効率の向上度を示す。

3.成果の概要
1) ゲノム育種価評価は、リファレンスデータとして、道内枝肉市場に出荷された肥育牛を主としつつ、種雄牛のデータを補助的に用いることで多様な遺伝背景に対応可能になると考えられた(図1)。
2) 新細かさ指数およびオレイン酸の遺伝率はそれぞれ0.43、0.44と遺伝的な改良が期待できる形質であった。ssGBLUP 法を採用することで、皮下脂肪厚と歩留基準値を除く6形質においてゲノム育種価と育種価との相関係数は0.8に近い値が得られた。
3) ゲノム育種価評価の正確度は、2018年には、0.8未満の個体が約3割存在したものの、リファレンスデータの増加とともに向上し、2021年には、ほぼすべての個体が0.8を超えた(図2)。種雄牛造成機関と和牛改良組合生産者に対して、枝肉8形質のゲノム育種価を提供する北海道ゲノム育種価評価システムを構築した。
4) 種雄牛造成機関において、去勢前4ヵ月齢未満で全ての種雄候補牛のゲノム育種価を得ることができ、構築した北海道ゲノム育種価評価システムを活用して1次選抜が可能であった。システム活用後の選抜効率は、システム活用前の約2倍となり(表1)、1次選抜牛の脂肪交雑ゲノム育種価平均値は、2016年の1.93から2020年には2.70まで向上した(図3)。
5) 和牛改良組合のモデル農家において、子牛市場出荷前の6ヵ月齢未満で全ての生産雌牛のゲノム育種価を得ることができ、構築した北海道ゲノム育種価評価システムを活用して保留雌牛の早期選抜が可能であった。システム活用後の選抜効率は、システム活用前に比べて約2.6倍に向上した(表1)。

4.留意点
1) 北海道ゲノム育種価評価システムは、SNP 解析機関に対象牛の毛根を送付し、SNP 検査料金を支払うことで、酪農畜産協会Web サイトからゲノム育種価を入手できる。
2) ゲノム育種価は、産肉能力のみを対象としているため、早期選抜の際は、繁殖経営における基本的かつ重要な形質である体型や繁殖性等についても十分考慮に入れる。



詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 肉牛研究部 肉牛グループ 鹿島聖志
電話 0156-64-0606 FAX 0156-64-6151
E-mail kasima-masasi@hro.or.jp

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