陸別百年新聞「町民の知恵生かし誘客 野尻秀隆町長に聞く」
開町100年を迎えた陸別町。野尻秀隆町長に、町の可能性や将来像について聞いた。
-開町100年を迎えた。
記念テーマは「この町で生きたすべての人の 想いと共に、また100年」。先人たちが額に汗し、過酷な自然条件の中、この町を発展させてきた。この地に挑んだ強靱(きょうじん)な精神を守り伝え、次の100年につなげるため、陸別町をさらに成長させていくことが、私の使命だと思う。
-陸別の良さとは。
四季がはっきりしていて、春・夏・秋はとても過ごしやすい。一方で冬は「日本一寒い町」になる。冬の厳しい寒さは負のイメージだったが、陸別には逆境をバネにする力が伝統的に備わっている。
例えば、町民有志が「逆転の発想」で厳寒をプラスの資源に変えた、当時は「奇祭」と言われた「しばれフェスティバル」。今では全国から多くの観光客が訪れる。
-町の課題は。
少子高齢化に伴う人口減少問題。担い手や経済循環、まちづくりに影響する。全国のどの自治体も苦労しているが、移住・定住、子育て、各産業支援などを総合的に、地道に取り組んでいきたい。住んで良かったと思える町をつくり、これかからも元気な陸別を発信していく。
-陸別の可能性を。
「小さくても清らかで輝きのある町」を掲げてきた。寒暖差の激しい気温が表す大自然、旧ふるさと銀河線の観光動態保存、星空の街を象徴する天文台、各種のラリー・オフロードレースなど、陸別には他と差別化できる地域資源があり、それを生かす人材も育っている。
町民の知恵を生かし、これらを効果的に組み合わせて人を呼び込みたい。十勝オホーツク道の整備が進み、人的交流が増える要素もある。商工業や、年間乳量が4万トンを超すまでになった酪農、循環型の林業、細かなところまで目の届く介護福祉分野にも好影響が必ず出てくるだろう。
「開町100年陸別町 次の100年も陸別町は100(飛躍)します」