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平田オリザさん14年ぶり講演 幕別

文化の重要性を語る平田オリザさん

「文化、人を孤立させない」 
 【幕別】町友(文化大使)で劇作家、演出家の平田オリザさん(55)を迎えた講演会が19日、幕別町の札内コミュニティプラザで開かれた。平田さんの来町は14年ぶり。集まった約100人を前に、「文化がまちをつくる・かえる~図書館は『新しい広場』~」と題して思いを語った。

 町図書館主催で、全国の著名人から寄せられた蔵書を同館で保管する「北の本箱」事業の20年を記念した催し。平田さんも自身の蔵書を寄付している。

 平田さんは劇団「青年団」(東京)を主宰し、フランス文化省から芸術文化勲章シュヴァリエを受けるなど海外でも活躍。城崎国際アートセンター芸術監督や四国学院大学学長特別補佐など、さまざまな役職を務める。

 平田さんは「地方ほど市場原理が働き、文化が届かなくなっている」と都市部との文化格差を指摘。大学入試がアクティブ・ラーニング(学生が能動的に学ぶための学習法)を重視する方向にあることも、文化格差のある地方の学生には不利とした。「地方都市ほど教育・文化施策を重視し、センスやコミュニケーション能力などを総称した『身体的文化資本』を持った人材の育成を」と強調した。

 また、「文化は人間を孤立させない。強固な共同体では、息苦しい社会的弱者でも参加しやすい緩やかなネットワーク社会の結節点になる」とし、「図書館などの文化施設を『新しい広場』として、まちづくりの核に位置付けてほしい」と締めくくった。

 帯広市から訪れた角畠あさみさん(33)は「文化が地方都市に及ぼす影響が分かりやすかった」と話していた。平田さんは同プラザで、コミュニケーション能力向上につながるワークショップも行った。(松村智裕)

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