志村さん コーチで参戦 女子野球W杯
6回出場、経験生かす
広尾出身
【東京・広尾】広尾町出身の志村亜貴子さん(35)が、8月22日から米国フロリダで開かれる「第8回WBSC女子野球ワールドカップ(W杯)」で、侍ジャパン女子代表(マドンナ・ジャパン)のコーチを務める。過去6回、選手として出場し、うち3回は主将としてチームをけん引してきた志村さんだが、“指導者”として初めて臨むW杯。28日からは新潟で最終合宿が始まり、「勝たせなくてはいけない立場。責任は重いが、6連覇を目指す」と意気込んでいる。
「責任は重いが6連覇目指す」
志村さんは広尾第二小(現広尾小)、広尾中、広尾高校、道浅井学園大(現北翔大)卒。現在は都内荒川区・原中学校の非常勤講師で教科専門指導員として働き、野球部の指導もしながら、社会人チームに所属している。2006年から代表入り。12年大会からは主将を務めた。
今回、初めてコーチとして挑むことには「代表のユニホームを着て戦うことに変わりはない」ときっぱり。背番号はこれまでの「8」から「80」に。「8は絶対入れたかった」とこだわりを見せた。
橘田恵監督から直接、電話でコーチ就任を打診された。メンバーも若手が増えた中で、代表経験豊富な現役選手として、気付いたことを随時選手に伝えてほしいと頼まれている。社会人チームで現役を続ける志村さんにとっては「(コーチは)勉強になることが多い」という。
選手には気心の知れた前回までのチームメートもいて、若い人には彼女らを通じてそれとなく志村さんの気付きを伝えてもらうことも。「監督をしっかりとサポートしたい」と語る。
新潟合宿については「どのチームも日本を倒しに来る。特に開催地のアメリカは力を入れてくるだろう。練習試合も勝ちにこだわってやるように伝えようと思う」と本番さながらの緊張感を持って臨む。
女子野球に懸ける思いは誰よりも強い。5連覇した前回W杯を振り返り、「今まで勝ち続けてきたこともあり、女子野球が知られるようになった。チーム数も増えている。代表が勝つことで発展にはつながっている」とみる。そして十勝の人たちには「女子野球を見たことのない人もいると思う。必ず何か伝わるものがあると思うので、ぜひ応援してほしい」と呼び掛けている。(植木康則)