道農政部が台風後の営農対策
滞水圃場の排水を
道内に相次ぐ台風の通過で圃(ほ)場への浸水・冠水、施設の破損などが発生していることを受け、道農政部は台風通過後の営農技術対策を発表した。注意項目は「滞水圃場では排水対策を行い圃場乾燥を促す」「殺菌剤の散布には収穫前の使用期限を守る」「あせりからくる農作業事故に注意する」の3点。(安田義教)
◆各作物共通事項滞水した圃場では溝切りなどの排水対策を行い、明きょや排水溝へ流れているかを確認する。土砂が流入している場合は、できるだけ早く取り除いて乾燥を促す。農作物は病害の発生に注意。特に収穫期が近づく作物に殺菌剤などを使うときは収穫前の使用期限に注意し、ラベル記載の使用基準や注意事
項を守る。
◆畑作農作物は次の病害の発生に注意する。豆類はべと病(大豆)、灰色かび病、茎疫病。ジャガイモは疫病(塊茎腐敗)、菌核病、軟腐病。ビートは根腐病、黒根病、葉腐病。特にジャガイモは浸水・冠水で塊茎腐敗が著しく増えるので急いで排水対策を行う。強風で茎や葉が折れたり降水量が多かったりした地域では、軟腐病に注意する。
◆飼料作物牧草は、サイロ被覆資材(ロールパックの場合はラッピングなど)の破損を確認した場合、すぐに補修する。デントコーンは倒伏で土砂が付いた場合は収穫時の刈り取り高を調整する。
◆畜舎など施設土砂が付いた水槽や飼槽はきれいな水で洗浄する。浸水した古い敷料は運び出し、床面などの土砂を洗い流し、乾燥させる。乾燥後すぐに床面に消石灰を散布し、新しい敷料を敷く。
◆酪農停電解消後は優先順位に従ってブレーカーを戻し、ミルカーなど電気を動力源にする機械が正常に作動するか点検する。通電忘れがないか確認する。搾乳では前搾りで凝固物の有無を確認し、乳房炎が疑われる牛の生乳は出荷せず、すぐに獣医師の診断を受ける。
◆農作業安全降雨後は路肩が崩れやすく、地面のぬかるみで滑りやすいので、枕地や農道ではトラクターの走行速度を十分に下げ、急ブレーキや急旋回を避ける。足場の悪い場所では転倒事故に気を付ける。