十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

安倍首相来勝 「復興に全力」  台風10号被害視察

地元農業者らと懇談する安倍首相(中央)。右は有塚会長=14日午前11時10分ごろ、JA帯広かわにし別府事業所。新井拓海撮影

 安倍晋三首相が、台風10号による被災地の状況視察のため14日午前、十勝入りした。ヘリコプターで上空から被害の大きかった日勝峠や清水町旭山地区などを見た後、帯広市内で有塚利宣十勝地区農業協同組合長会会長ら農業関係者、中札内村で高橋はるみ知事や管内被災地首長らと相次いで意見交換。地元関係者は早急の水確保や、再チャレンジへの支援などを訴えた。安倍首相は「国としても全力でなりわいの復旧、復興に力を入れ、安心して生活できる日常を取り戻すために全力を傾けたい」と述べた。

 現職首相の来勝は2014年11月27日、安倍首相の地方遊説以来。

災害状況を視察し、ヘリから降りる安倍首相(中央)=14日午前10時半すぎ、帯広駐屯地内十勝飛行場。金野和彦撮影

 安倍首相は14日午前9時45分に帯広空港到着後、用意していた自衛隊のヘリコプターに搭乗。高橋知事とともに、上空から河川氾濫でログハウスが流され、行方不明者が出ている清水町旭山地区、農地被害の激しい芽室町や帯広市内などの被災地の状況を、約50分間にわたり確認した。

 その後、バスでJA帯広かわにしの別府事業所に移動。午前11時15分から有塚会長、被災した農業者ら10人と約20分間、懇談した。安倍首相は冒頭、ヘリでの視察を踏まえ「橋や道路といったインフラに大きな被害が出ており、また農地や施設も大きな爪痕を目の当たりにした。農業者には大変なご苦労だと、改めてお見舞いを申し上げる」と述べた。

 意見交換会で有塚会長は「農業を成長産業にするために十勝全域が『出番だ』と勇んでいた矢先のこと。被害にひるまず互助の精神で人事を尽くすが、私たちの力だけではどうしようもない状況で、一刻も早い復興のため政治の力をお借りしたい」と訴えた。

 JA北海道中央会会長を務めるJA幕別町の飛田稔章会長は「激甚災害の指定をしていただきたい。農業共済で守れない作物もあるので(支援を)お願いしたい」、芽室町の農業梶澤幸治さん(44)は「悔しいのは先祖代々育ててきた土が作物と一緒に流されたこと。消費者、生産者のために元に戻し、支えてほしい」と要望した。

 続いて安倍首相は、正午過ぎから中札内村の十勝農業改良普及センターで意見交換会に臨んだ。高橋知事、米沢則寿市長、浜田正利新得町長、高薄渡清水町長、宮西義憲芽室町長、田村光義中札内村長と会い、冒頭、高橋知事が一連の災害を一括とした激甚災害の早期指定など6項目を盛り込んだ「平成28年8月からの大雨等災害に関する緊急要望」を手渡した。
 安倍首相は「上空から河川の氾濫、農地の浸水など被害の甚大さを目の当たりにした。一日も早く日常の生活を取り戻すことができるよう、政府としてできるだけの支援を緊急かつきめ細やかに講じる」と伝えた。

 各首長は20分間にわたって各自治体の抱える問題や復旧に向けた国の支援などについて訴えた。高橋知事は「激甚災害指定や(被災自治体への)地方財政措置をはかってほしい。単年度での対応が難しいので配慮を」と述べた。浜田町長は「鉄路がこれからどうなるのかという不安を伝えた」とし、高薄町長は「超法規的な対応で事業の推進を早急に行うよう求めた」とした。

16日閣議で「激甚」指定
 終了後、安倍首相は記者団に対し、台風10号の被害を受けた十勝などの被災地について「激甚災害の指定を明後日、16日の閣議で行う考えだ」と述べた。

 なお、この日午後から、山本有二農水相も十勝入りし、本別、清水、芽室、帯広市中島地区など農業の被災現場を回った。

関連動画

  • 安倍首相来勝 「復興に全力」  台風10号被害視察

関連写真

  • 災害状況を視察し、ヘリから降りる安倍首相(中央)(14日午前10時33分、帯広駐屯地内十勝飛行場。金野和彦撮影)

    災害状況を視察し、ヘリから降りる安倍首相(中央)(14日午前10時33分、帯広駐屯地内十勝飛行場。金野和彦撮影)

更新情報

本別 松月堂が中札内のハレノヒ珈琲店とコラボ商品 珈琲シフォン 27日から販売

紙面イメージ

紙面イメージ

4.25(木)の紙面

ダウンロード一括(60MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年4月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME