殺処分 大幅に遅れ 清水・鳥インフル
農場外で埋却へ正午現在9万羽
清水町内の養鶏場の採卵鶏からH5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、道は18日午前も殺処分や防疫措置を続けた。午前中に約21万羽のうち約9万羽を処分したが、同日中には終わらず19日も続行する見通し。埋却場所も農場敷地内は困難で、町有地に埋める方向で調整している。
十勝総合振興局によると、同日は午前8時から、道職員と自衛隊員ら約850人態勢で殺処分や消毒ポイントなどの防疫作業に従事。前日から約150人増員した。殺処分は約170人ずつ3交代制で作業に当たっている。道が公開した映像によると、鶏舎内で白い防護服を着用し、大きなポリバケツに鶏を入れて処分している。
殺処分後はフレコンバッグに入れて地中に埋却する。ただ同農場の敷地内を試掘したところ、地下水が出たため、道は周囲の環境への影響を考慮して埋却場所を再検討。町と調整して現場から約11キロ離れた同センターの敷地内に埋める方向になった。農場から殺処分後の鶏を運び出す必要があり、運搬方法などを検討している。
殺処分は、厳しい寒さや積雪で夜間の作業ができないなど、難航している。農水省の防疫指針によると、早期に封じ込めるため確定時間から殺処分に24時間以内、埋却に72時間以内という目安を示している。ただ現場は日中も氷点下で、鶏舎には背丈より高い場所にケージがある構造などの条件もあって思うように進んでいない。17日夜には24時間を超えていて、時間との闘いになっている。
17日に道庁で開かれた対策本部会議で高橋はるみ知事は「作業は明らかに遅れている。危機感を持って対処を」と求めた。同振興局は「防寒着と防護服を重ね着しているが、特に足元が冷え込んで厳しい環境のようだ」とし、道農政部は「他県の例も参考に体制を組んだが、厳寒期と雪が多くて想定以上に時間がかかった。体制を組み直して作業していく」と早期の作業終了を目指している。(安田義教、道下恵次)