ナスビ姿でハーフ参戦 上浦幌中央小校長 ランナー野上さん
30日フードバレーマラソン 沿道の観客沸かす4年連続
【浦幌】市民ランナーとして全国のマラソン大会に挑む上浦幌中央小学校校長の野上泰宏さん(54)は大会出場時、あるパフォーマンスで沿道を盛り上げる。それは、ナスビの着ぐるみでの参戦だ。「地域密着の応援が印象的」とするフードバレーとかちマラソン(30日・帯広)にも、4年連続でナスビ姿でハーフに出場する予定。フルマラソン3時間17分の記録を持つ脚力と、紫色の存在感ある着ぐるみで観客を楽しませる。
「運動嫌いで音楽教師になった」という野上さんがマラソンを始めたのは2004年。増えた体重を落とそうと、地域パトロールも兼ね、当時教頭を務めていた足寄芽登小の周辺を走るようになった。現在は平日で5キロ、休日は20キロとほぼ毎日走っている。
フルマラソンのデビューは06年で、3時間41分とまずまずの結果が出た。「運動経験がない分、伸びしろがあった」と走るたびに記録を更新。マラソンの魅力にはまり、年に5回程度、大会に出場する。
ナスビの着ぐるみとの出合いは、第1回東京マラソンに登録した07年。東京マラソンを特集した都内の店舗に飾ってあり、衝動買いした。東京マラソンは抽選に外れ、ナスビが日の目を見ることはなかった。
大会出場を続ける中、長時間の応援で退屈する沿道の子どもたちが気になるようになった。「変な格好をした人が走っていれば、子どもは和むのでは」と、11年に管外の大会に思い切ってナスビで出場。「真面目に走れと怒られるのでは」と心配したが、沿道から想像以上の声援を受けた。
肩や頭がすれ、視界が狭まるナスビは当然、走りに適していない。タイムが30分ほど遅くなるため、記録を狙う大会では着用しない。ただ、ナスビでも手は抜かず、(1)歩かない(2)完走する(3)できるだけ沿道の声援に応える-をポリシーに掲げる。ハーフを含め、ナスビで出走した約15回の大会すべてで3条件を達成している。
ナスビで出場するのは、フードバレーマラソンなど地域のもてなしが強い大会だ。今年2月には震災発生前の熊本城マラソンに参戦。偶然にも熊本市はナスが特産で、沿道は大いに沸いたという。
「50歳を過ぎて『かわいい』と言われるのは、ナスビの時だけ」と苦笑するが、声援を力にさらに沿道を盛り上げる。常に自己ベスト更新を目指す一方、牛やナガイモなど十勝らしい2代目着ぐるみの製作も検討している。(池谷智仁)
◆2016フードバレーとかちマラソン大会について
・2016フードバレーとかちマラソン大会-公式ホームページ
・2016フードバレーとかちマラソン大会-十勝毎日新聞電子版特設ページ