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大樹・JAXA 飛行船を解体 耐用年数の3年目 今後2年間試験行わず

 【大樹】昨年度、「成層圏プラットフォーム」計画の試験で大樹町上空を飛んだ飛行船(全長約68メートル)の解体作業が25日、町多目的航空公園内の飛行船格納庫で行われ、機体内のヘリウムガスと空気が抜き取られた。実験主体の独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「膜材の部分ごとの劣化度を検証し、再利用できる部品は持ち帰りたい」としている。

 同計画は国が次世代の通信放送、地球観測システムとして研究・開発を進めている。飛行船試験は昨年度、計8回行われ、高度4キロでの定点滞空やデジタル放送など各種実験に成功した。

 飛行船は今年度で耐用年数限度の3年目。試験内容の精査や予算の都合上、少なくとも今後2年間は飛行船試験を行わないことが3月末に決まり、今月中旬から段階的な解体作業が始まった。

 この日はJAXA、富士重工などメーカーの関係者約20人が解体作業に携わり、船体上部の「リップパネル」と呼ばれる部分を引き裂き、ガスを放出した。ヘリウムガスが大量に排出されたため、格納庫内の酸素濃度を測定しながら慎重に作業を進め、1時間半ほどで終了した。

 JAXAでは「町からの要望もあり、飛行船の部品の一部を寄贈することも考えている」としている。
(松村智裕)

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