「HONKO」5年ぶり単独出場 高校野球支部予選
【本別】本別高校野球部(石川凜太郎主将、部員13人)は、10日開幕の第64回春季道大会十勝支部予選に、5年ぶりに単独チームで出場する。これまで広尾や更別農などとの連合チームで戦ってきた3年生と2年生の6人に加え、1年生の新入部員3人と助っ人3人で構成。石川主将(17)=3年=は「自分たちが今までやってきた練習を本番で出し切りたい」と意気込む。(佐藤匡聡)
同部は2020年の夏を最後に、他校との連合チームで出場。24年9月の秋季道大会十勝支部予選は音更、広尾、鹿追、清水、更別農との連合で戦った。
今年度は中学までプレーしていた2人のほか、マネジャー志望の男子1人が入部。助っ人として1年生の野球経験者3人を招き、女子マネジャー1人を含む部員13人体制を組むことができた。
普段は本別町教委の管理課で働く外部監督の北山敦裕さん(37)は「子どもたちが持っている力を出し切ることが大事で、その上で勝敗が付いてくる」と話す。4月に発足したため粗さは否めないが、伝統の「全力疾走」「大声野球」「全員野球」の3本柱を重んじる。
放課後の練習にはOBもちらほら顔を出す。現役時代の3年間を十勝連合で戦い、この春卒業した貝瀬颯一さん(18)は「自分は連合チームで良い経験をさせてもらったが、後輩には勝ってほしい」と期待を寄せる。
初戦を前に、5月の連休中は帯広北と十勝連合、クラーク記念国際の3チームと練習試合を行った。十勝連合戦の八回表、サード方向に痛烈なヒットを放った前出兼伸さん(15)=1年=は「本番でも日々の練習の力を出したい」と目を輝かせて語った。
監督として同校を1985年の北北海道大会でベスト4に導いた札幌在住の本間茂裕さん(70)は「初任時の82年は部員9人で、勝ちの遠い時代が続いた。そんな中『今の自分たちにできること』と生徒たちが考えたのが3本柱の出発点」と回顧。「仲間を大事にしたり、目の前のことに全力を尽くしたり、若者らしく大きな声を出して頑張ったりすることは、どんなチーム事情でも当てはまる。仲間と心を一つにして、夏につながる試合を期待している」とエールを送る。
帯広の森野球場で、11日午前11時半に開始予定の第2試合、帯広南商戦が初陣だ。