十勝の農業を発信して13年、いただきますカンパニーに道産業貢献賞
農村ツアーや食育事業を展開する「いただきますカンパニー」(帯広市、井田芙美子社長)が、今年度の北海道産業貢献賞(農業・農村振興功労者)を受賞した。農業と消費者の距離を縮めようと活動し13年、メイン事業の農村ツアーは年間1000人前後の利用がある。井田社長は「これからも生産者の視点で十勝農業を発信したい」と話している。(能勢雄太郎)
いただきますカンパニーは2012年、札幌出身で帯広畜産大OBの井田社長が創業、翌13年に法人化した。芽室町内の坂東農場と提携した、ガイド(畑ガイド)付きの収穫体験メニュー「農場ピクニック」など、各種農村ツアーを展開している。
教育分野にも力を入れ、農業関連団体とタイアップし、基幹作物の小麦、ビートについて理解を深める食育授業(小学生対象)を実施。近年は高校の修学旅行、中学の宿泊研修旅行の企画・運営を担い、昨年は計21校から3000人超の生徒を受け入れた。
現在は帯広市の「とかち大平原交流センター」(川西町)の指定管理者となり、同センターを拠点に9人のスタッフで事業を切り盛りしている。
会社のビジョンは「いただきますの心を育む」。畑での実体験を通して、農家が丹精込めた作物の本当のおいしさを知り、感動してもらえるような事業を心掛けている。
井田社長は「生産現場とつながり、食と農を発信しようと創業当初から取り組んだ。会社、チームの歩みが農業の一端として認められ、うれしい」と笑顔。今後は企業研修のニーズにも応えたいとしている。
今年度の道産業貢献賞の農業関係功労者は40個人・団体。十勝からは家畜衛生等功労者に新得町の古関博さんも選ばれた。12日に札幌で表彰式が開かれる。