イチゴハウスにドローンで遮光剤散布 ムラなく均一に
【中札内】ドローン事業のバードアイエンタープライズ(更別村、大橋克敏社長)は3日、中札内村のイチゴ農家・野島農園のビニールハウスにドローンを使って遮光剤を散布した。両者によると、十勝管内のイチゴ農園で遮光剤を使用するケースは珍しく、ドローンでの散布は初めて。
遮光剤を散布したのは、中札内村新生にある幅11メートル、長さ75メートルの大型ビニールハウス1棟。これまでは遮光ネットで暑さ対策をしていたが、昨年は猛暑で収量が例年の半分ほどに減ったことから、ハウスに散布して日光を遮る遮光剤の導入を決めた。
ハウスへの遮光剤散布は、地上から噴霧器で行うのが一般的。これに対し上空からドローンで行うと、均一に散布しやすいというメリットが期待できる。
散布に使ったのは30リットルのタンクを備えた大型ドローンで、白色の遮光剤12リットルを入れてハウスの屋根の上空約2メートルを飛行して散布した。1度目は自動で飛行、2度目は遮光剤のムラを目視で確認しながら、均一になるよう手動で散布した。
大橋社長は「散布の方法はおおむね農薬と同じだが、屋根の膨らみが障害となる分、自動飛行の設定が難しかった。遮光剤を均一に付着させるのに適した、高過ぎず低過ぎない距離を探れた」と話した。
同農園の野島剛志さんは「昨夏はハウス内の気温が43度を超える日が相次いだ。遮光剤の効果が見られると思う」と期待を込めた。(吉原慧)
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